(読み)ハイタカ

デジタル大辞泉 「鷂」の意味・読み・例文・類語

はい‐たか【×鷂】

《「はしたか」の音変化》タカ科の鳥。雌は全長39センチくらいで、上面灰褐色下面黒褐色の横斑がある。雄は全長32センチくらいで、このりとよばれ、上面が青灰色、下面は橙褐色の横斑がある。ユーラシア分布日本では低山の林にすむ。

はし‐たか【×鷂】

ハイタカ別名 冬》

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精選版 日本国語大辞典 「鷂」の意味・読み・例文・類語

はい‐たか【鷂】

  1. 〘 名詞 〙
  2. タカ科の小形の鷹。雌雄で大きさや羽色を異にし、雌だけをハイタカ、雄をコノリということもある。雌は全長三九センチメートル内外で雄は三二センチメートル内外と小形。雄の背面は青灰色で、腹面は白色の地に黄赤褐色の細い横斑がある。雌の背面は褐色で、腹面は白地暗褐色の横斑がある。ふつう森林に単独ですみ、小鳥や野ネズミを捕食。ユーラシアに広く分布し、日本では各地にすみ、鷹狩りに用いた。すずめだか。はしたか。
    1. [初出の実例]「はいたかすゑて、おほんともの人は、あをきしらつるばみ、あしげむまにのりて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上上)
  3. 自身は無能でありながら、才能のある者の行動を批判すること。また、その人。
    1. [初出の実例]「商職(ばいしょく)を、たまかにつとめて立身すべし。是をとやかくとさたするは、灰鷹(ハヒタカ)といふもの也」(出典浮世草子日本新永代蔵(1713)五)

はし‐たか【鷂】

  1. 〘 名詞 〙はいたか(鷂)《 季語・夏‐秋 》 〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「みははしたかのすずろにて、なつくる宿のなければぞ」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)

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普及版 字通 「鷂」の読み・字形・画数・意味


21画

[字音] ヨウ(エウ)
[字訓] はしたか

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(よう)。〔説文〕四上に「鷙鳥(してう)なり」とあり、猛禽の名。鷹(たか)の一種で、はしたか。紙鳶(たこ)のことを鷂子、また長い竿の上で軽わざすることを鷂子翻身(ようしほんしん)という。

[訓義]
1. はしたか。
2. いろきじ。

[古辞書の訓]
〔和名抄〕鷂 野王案ずるに、鷂は鷹(たか)に似て小なり。語抄に云ふ、波之太加(はしたか)、兄鷂、古能利(このり)〔名義抄〕鷂 コタカ・ハシタカ・ススタカ/雀鷂 スズミタカ・ツミ

[語系]
鷂・搖(揺)・遙(遥)jiは同声。〔方言、二〕に「搖は、疾なり」とあり、(扇)は横奔、自在に旋回することをいう。

[熟語]
鷂魚・鷂坊・鷂鷹
[下接語]
鵞鷂・海鷂・鷙鷂・俊鷂・白鷂・野鷂・鷹鷂

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鷂」の解説

鷂 (ハイタカ・ハシタカ)

学名:Accipiter nisus
動物。ワシタカ科の鳥

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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