鹿毛馬神籠石(読み)かけのうまこうごいし

日本歴史地名大系 「鹿毛馬神籠石」の解説

鹿毛馬神籠石
かけのうまこうごいし

[現在地名]頴田町鹿毛馬 小堤・田中・古賀ノ下など

鹿毛馬川の右岸東側の谷部を抱込んで、西向きに傾斜する小山塊に設けられた古代の包谷式山城跡。標高七〇メートルの山頂部から北と南の両尾根線が西に向かって下行するのに並行して列石線が走り、谷部の出口(標高約一七メートル)南北にふさぐ石塁両者をつないでいる。全周二キロ以上に及ぶが最高所近くは列石は未確認である。列石の前後各々五間の計一〇間幅(一八メートル)帯状に国指定史跡となった。鹿毛馬川の東七〇メートルほどの南北石塁の両端部には水門(第一・第二暗渠)がある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「鹿毛馬神籠石」の解説

かけのうまこうごいし【鹿毛馬神籠石】


福岡県飯塚市鹿毛馬にある石造遺跡。遠賀(おんが)川の支流である鹿毛馬川に面した標高80m弱の馬蹄形の低丘陵上に形成された神籠石。尾根の外側に切り石状の列石をめぐらし、その全長は1980m。約1800個にのぼる花崗岩の切り石が使用され、土塁の腰石にしている。この列石の保存状態が良好であることなどから、1945年(昭和20)に国の史跡に指定され、2002年(平成14)に追加指定された。神籠石とは、丘陵の頂上を取り巻くように巨石を並べて列石としたもので、低い谷間には2本の暗渠(あんきょ)からなる水門があり、どちらも全長18m。こうした神籠石は、瀬戸内沿岸から北部九州の7県にかけて十数ヵ所発見され、そのうちの大半は福岡県にある。神籠石の築造年代や目的については諸説あるが、現在では7世紀ごろに造られた古代の山城というのが一般的。鹿毛馬神籠石の存在は、江戸時代に書かれた貝原益軒の『筑前国続風土記』にも紹介され、古くから人々の関心を引いていたことがわかる。JR筑豊本線新飯塚駅から西鉄バス「頴田病院」下車、徒歩約20分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

事典・日本の観光資源 「鹿毛馬神籠石」の解説

鹿毛馬神籠石

(福岡県飯塚市)
福岡県文化百選 名勝・景観編」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

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