20世紀日本人名事典 「黒沢 酉蔵」の解説
黒沢 酉蔵
クロサワ トリゾウ
大正・昭和期の酪農家,政治家 雪印乳業相談役;酪農学園創立者。 北海道酪農の指導者。
- 生年
- 明治18(1885)年3月28日
- 没年
- 昭和57(1982)年2月6日
- 出生地
- 茨城県常陸太田市
- 学歴〔年〕
- 京北中学〔明治38年〕卒
- 主な受賞名〔年〕
- 勲三等旭日中綬章〔昭和39年〕,北海道文化賞〔昭和41年〕,勲二等旭日重光章〔昭和45年〕,勲一等瑞宝章,キリスト教功労者(第12回)〔昭和56年〕
- 経歴
- 京北中学時代、田中正造の足尾鉱毒難民救済運動に参加。明治38年20歳で中学を卒業し渡道。札幌で4年間牧夫をしたあと自立し、大正4年札幌牛乳販売組合を結成して協同組合運動を始める。14年雪印乳業の前身の北海道製酪販売組合を設立、15年同組合連合会(酪連)に改組。昭和16年には北海道酪農の一本化に尽力し、北海道興農公社を設立し社長に就任。25年雪印乳業と北海道バターに分割、33年合併し雪印乳業となり相談役。この間、8年には酪農義塾(現・酪農学園)を設立して我が国“酪農の父”といわれる一方、永らく道開発審議会会長として北海道開発にも貢献してきた。また札幌市議会副議長、衆院議員(大政翼賛会推薦)、北海タイムス社長などを歴任。著書に「酪農学園の歴史と使命」、語録集「反芻自戒」、「田中正造全集」(編)など。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報