アクティブシニア(読み)あくてぃぶしにあ(英語表記)Active seniors

知恵蔵 「アクティブシニア」の解説

アクティブシニア

第2次世界大戦直後、1947(昭和22)年から49(昭和24)年に生まれた「団塊世代」を中心とする60~70代のうち、自分なりのこだわりや価値観を持ち、仕事や趣味に意欲的で元気なシニア世代のこと。団塊の世代が定年退職を迎え始めた2007年頃から使われ出した言葉で、一般社団法人「日本アクティブシニア協会」は、前期高齢者(65~75歳)と定義している。具体的には、「戦後教育を受け、高度成長期を経験」、「生涯現役志向が強く、経験豊富」などの条件を満たすシニア世代を指す。その中でも流行に敏感で、スマートフォンやタブレット端末を使いこなして情報収集やオンラインショッピング、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を楽しむ人々を「スマートシニア」と呼ぶこともある。
約800万人いた団塊の世代は、その数の多さから大量消費文化をけん引し、様々なヒット商品を生み出してきた。こうした層が高齢者になり、従来の「高齢になると身体機能や認知機能が低下する」というイメージが当てはまらなくなった。文部科学省が1998年度から実施している体力・運動能力調査では、65歳以上の高齢者は、大半項目が毎年右肩上がりとなっている。
消費行動旅行にも積極的なことから、彼らをターゲットにした、素材やデザインにこだわった衣料品や機能的なデジタル家電、映画館や宿泊施設での割引といった、商品やサービスが次々と生み出されている。
自立心が旺盛なのも特徴で、内閣府が2012年度に行った「高齢者の健康に関する意識調査」では、回答者の約6割が「65 歳を超えても働きたい」と回答。「支えられるべき高齢者」の年齢については、最も多い約3割が「75歳以上」と答えている。

(南 文枝 ライター/2015年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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