何でも(読み)ナンデモ

デジタル大辞泉 「何でも」の意味・読み・例文・類語

なん‐でも【何でも】

代名詞「なに」に副助詞「でも」が付いた「なにでも」の音変化》
[副]
よくはわからないが。どうやら。「何でも近く結婚するらしい」
どうしても。ぜひ。「何が何でもやりぬこう」
「あれは世間に重宝する三光とやらいふ鳥であらう。―刺いてくれう」〈続狂言記・鶯〉
[連語]どういうものでも。どういうことでも。「生活用品なら何でもある」「頼まれたことは何でもする」
[類語]なんなり

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「何でも」の意味・読み・例文・類語

なん‐でも【何でも】

  1. ( 「なん(何)」に助詞「でも」が付いたもの )
  2. [ 1 ] 〘 連語 〙 事物・事態を選択しないさま。どのようなものでも。いかなることでも。
    1. [初出の実例]「いっそ知らぬ顔していればよかんめるに、なんでも知ったがほするゆへ、てんとあいそがつきる」(出典:茶屋諸分調方記(1693)一二)
  3. [ 2 ] 〘 副詞 〙
    1. 事態のいかんにかかわらず、自分の意志・希望を通そうとするさま。どんなことがあっても。是非とも。何とかして。とにかく。
      1. [初出の実例]「なんでもおもひきってつかうぞ、ぐっさり」(出典:虎明本狂言・杭か人か(室町末‐近世初))
    2. あいまいな記憶他人から聞いた話など、判断の不確かなさま。また、そのような場合に発することば。たしか。聞くところでは。
      1. [初出の実例]「いかさまなあ、なんでも棚からぶらさがったよふなうちであった」(出典:滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)五)

あん‐でも【何でも】

  1. 〘 副詞 〙
  2. ( 「なんでも(何━)」の変化した語 ) どんな物事でも。
    1. [初出の実例]「濁酒だアの、居びたり餠だアの、あんでもハア、三日正月で祝(いはひ)つけヱ」(出典滑稽本浮世風呂(1809‐13)前)
  3. 何か。何事か。
    1. [初出の実例]「あんでも嬉しい事があるだっぺい」(出典:青春(1905‐06)〈小栗風葉〉秋)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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