肉眼的に糞便(ふんべん)に血液が混じた状態をさし、下血(げけつ)ともいう。臨床的には消化管出血を意味し、糞便が黒褐色ないし黒色を呈する黒色便またはタール便の場合は一般に上部消化管出血を、鮮紅色を呈する場合は下部消化管出血を考える。上部消化管出血の場合、1回の出血でも量が多くなると数日間にわたりタール便の続くことがあるが、少なくとも30~50ミリリットルの出血量が必要とされる。原則として、十二指腸空腸曲の部分をつり上げているトライツTreitz靭帯(じんたい)より口側の消化管出血を示唆する吐血とは異なり、血便または下血は、消化管出血をおこしうる疾患であれば部位のいかんを問わず認められるので、口から肛門(こうもん)に至る消化管の全長にわたって精査することが必要である。
[石森 章]
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…そこで,この検査にあたっては,食事内容の制限を厳守する必要がある。出血の量が多くなると,新鮮血(血便bloody stool)や黒色便(タール便tarry stool)の排出がみられるようになる。これを下血という。…
…そこで,この検査にあたっては,食事内容の制限を厳守する必要がある。出血の量が多くなると,新鮮血(血便bloody stool)や黒色便(タール便tarry stool)の排出がみられるようになる。これを下血という。…
※「血便」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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