フランス領西アフリカおよびフランス領赤道アフリカに属していた諸国において植民地時代に創設され,今日も使用されている通貨の単位。フランス語ではセーエフアー・フラン。CFAとは,植民地時代はColonies françaises d'Afrique(アフリカ・フランス領植民地)の略であったが,各国の独立後,西アフリカでは1962年以降Commuauté financière africaine(アフリカ金融共同体),中部アフリカでは72年以降,Coopération Financière en Afrique Centrale(中部アフリカ金融協力体)とそれぞれ読みかえられることになった。独立後の変化としては,この通貨の発券銀行が,西アフリカ諸国の場合には西アフリカ諸国中央銀行,赤道アフリカ諸国の場合には中部アフリカ諸国銀行の手に,それぞれ移っただけで,フランス・フランとの固定レートによる自由交換性は維持している。そのレートは,植民地時代の1948年から1フランス・フラン=50CFAフランに固定されていたが,1994年1月,CFAフラン諸国の経済状況の悪化に伴い,一挙に50%切り下げられ,1フランス・フラン=100CFAフランに改定された。このCFAフランを使用している国は,2006年現在西アフリカではセネガル,コートジボアール,トーゴ,ベニン,ブルキナ・ファソ,ニジェール,マリ(1962年離脱,84年復帰),ギニア・ビサウ(1997年新加盟)の8ヵ国,中部アフリカではカメルーン,中央アフリカ,コンゴ(ブラザビル),ガボン,チャド,旧スペイン植民地の赤道ギニア(1985年新加盟)の6ヵ国である。
執筆者:原口 武彦
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…1960年,四つの植民地はそれぞれ別個の国として独立した。しかし独立後も4ヵ国は,同じフランスの信託統治領であったカメルーン(1960独立)を加えて,中部アフリカ経済・関税同盟(UDEAC)を結成し,通貨はカメルーンの首都ヤウンデに設けられた中部アフリカ諸国銀行(BEAC)を発券銀行として,植民地時代からの共通通貨であるCFAフランを使用するなど,経済的には緊密な関係を保持している。【原口 武彦】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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