アメリカ合衆国の放送・通信などの事業を規制・監督する独立行政機関。Federal Communications Commissionの略称で、日本では「(アメリカ)連邦通信委員会」などと訳される。1920年代にアメリカでラジオ局が乱立し、電波が混信した反省から、1934年の通信法に基づいて同年設立された。「合理的な料金による迅速な通信サービスの提供、通信の規制、通信の利用による生命・財産の安全向上」などを目的とする。政府から独立した権限をもつ独立行政機関として世界でもっとも古く、多くの国々の独立行政機関のモデルとなっている。本部をワシントンDCに置き、運営・管理は大統領が指名し上院議会が承認する5人の委員によってなされる。任期は5年。委員のなかから大統領が委員長を指名する。
監督・規制範囲は、テレビ・ラジオ放送、電話、ケーブルテレビ、衛星通信、国際通信など放送・通信全般に及び、インターネット接続やネット関連政策にも力を注いでいる。放送・通信事業の免許の付与・更新・没収、放送周波数の分配や割当て、放送・通信分野の規制や規格の策定、放送・通信機器の認可、規制違反や放送倫理規定違反の取締り、業者間の紛争の調停、罰金などの制裁を科す権限をもつ。いわば「半立法、半行政、半司法機関」であり、「政府の第4の部門(The Fourth Branch of Government)」とよばれることもある。とくに民間への新規周波数割当てや放送事業免許に対するオークション制度は、政府に莫大(ばくだい)な歳入をもたらすことで知られている。たとえば2008年の携帯電話用周波数のオークションでは、ベライゾン・ワイヤレスVerizon Wirelessが700メガヘルツ帯を落札して1兆円近い歳入をもたらした。
また、2014年にソフトバンク子会社でアメリカの携帯電話会社3位のスプリントSprintが同業4位のTモバイルUS社を買収しようとした際には、FCCが「消費者の利益や健全な企業競争が阻害される恐れがある」として大手携帯電話会社同士の合併・統合を認めない姿勢を示したため、買収交渉が破談になった。
[編集部 2015年4月17日]
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…ウドリーの研究を発展させたサン・オイル社は,1936年に固定床式工業装置を,またソコニ・バキューム・オイル社は43年に移動床式工業装置をそれぞれ建設した。しかし現在は,第2次大戦を契機としてアメリカの石油会社が共同開発した流動床式接触分解(fluid catalytic cracking,略称FCC)装置がもっぱら使われている。この分解装置は直径数十μmの微粒子の触媒を用い,流動状態にある反応器内でほぼ常圧下,500℃前後で分解反応を行う。…
…ウドリーの研究を発展させたサン・オイル社は,1936年に固定床式工業装置を,またソコニ・バキューム・オイル社は43年に移動床式工業装置をそれぞれ建設した。しかし現在は,第2次大戦を契機としてアメリカの石油会社が共同開発した流動床式接触分解(fluid catalytic cracking,略称FCC)装置がもっぱら使われている。この分解装置は直径数十μmの微粒子の触媒を用い,流動状態にある反応器内でほぼ常圧下,500℃前後で分解反応を行う。…
…ここにアメリカ型放送企業の原型が確立される。ラジオは初期,なんら国家的統制をも受けなかったが,27年乱立した各局の混線防止をうたって無線法(暫定コントロール機関として連邦無線委員会(FRC))が成立,34年には連邦通信法ができて,規制・監督の独立行政機関〈連邦通信委員会Federal Communications Commission〉(FCC)が設置され,システムが整う。FCCは放送政策・行政の中心機関として,免許の交付と更新(3年ごと),周波数割当て,電力指定,〈公共の利益,便宜,必要〉の原則にのっとった放送局規制の権限をもつ。…
…初代委員長に富安謙次が就任し,事務局は電波監理総局(長は電波監理長官)に置かれた。アメリカの連邦通信委員会(FCC)がモデルとなった。放送を含む電波に関する行政権のほか,関連規則類の制定に関する準立法権,異議申立ての聴聞等に関する準司法権も備えていた。…
※「FCC」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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