GoToキャンペーン（読み）ごーつーきゃんぺーん（その他表記）Go To Campaign

共同通信ニュース用語解説

GoToキャンペーン

Go To キャンペーン 新型コロナウイルス感染症の影響で需要が落ち込んだ業界を支援する政府事業。観光分野の「トラベル」は国土交通省、飲食店を支援する「イート」は農林水産省、文化芸術やスポーツが対象の「イベント」と、商店街の催しを補助する「商店街」は経済産業省がそれぞれ所管する。まず2020年度第1次補正予算で4分野計1兆6794億円を確保。トラベルとイートは来年6月末ごろまで延長し、第3次補正予算案にトラベル分1兆311億円、イート分515億円を追加計上した。

更新日:2020年12月27日

Go To キャンペーン

新型コロナウイルス感染拡大で需要が落ち込んだ業界を支援する政府の事業。観光、飲食店、イベント、商店街の4分野があり、政府は全体で1兆6794億円を支出する。新型コロナの感染再拡大を受け、規模が最も大きい観光支援事業「トラベル」で割引対象から東京を除外することが決まり、22日の開始を前に混乱が続いている。

更新日:2020年7月17日

出典　共同通信社 共同通信ニュース用語解説

日本大百科全書(ニッポニカ)

Go To キャンペーン
ごーつーきゃんぺーん
Go To Campaign

新型コロナウイルス感染症（COVID(コビッド)-19）の流行で冷え込んだ景気を刺激するための日本政府の需要喚起策。旅行を促す「Go Toトラベル」、飲食店利用を促す「Go To イート」、文化・芸術・スポーツイベントを支える「Go To イベント」、商店街の消費喚起策を支援する「Go To 商店街」の4事業からなる。流行収束後、新型コロナウイルス感染症の拡大で制限された人の流れと街のにぎわいを官民一体で復活させるねらいがある。日本政府が2020年（令和2）4月の緊急経済対策の柱として打ち出し、2020年7月から順次開始し、当初は2021年1月末までの限定施策だった。しかし感染拡大が収まらず、2020～2021年の年末年始にキャンペーン全体を一時停止（キャンセル料を公費補償）したほか、トラベル事業から感染拡大地域を除いたり、キャンペーン期間そのものを2021年6月末まで延長したりするなど、新型コロナウイルス感染症の広がりに翻弄された。総事業費は当初1兆6794億円を計上し、期間延長に伴い1兆0311億円を追加した。

　トラベル事業は、旅行業者経由で旅行商品を購入した消費者に対し、国内宿泊・日帰り旅行関係費の半額を補助する。宿泊費などの旅行代金を最大35％（1万4000円まで）割り引くほか、地域産品の購入や飲食で利用できる地域共通クーポン（15％分）を付与する。1人当りの補助合計額は宿泊（利用回数・連泊の制限なし）で1泊最大2万円、日帰りで最大1万円。修学旅行や職場旅行も対象。イート事業はオンラインで飲食店を予約し来店した消費者に対し、飲食店で使えるポイント（1人最大1000円分）を還元するほか、プレミアム付食事券（2割相当の割引券）を発行する。イベント事業は、演劇、コンサート、スポーツ事業などのイベント（無観客オンラインを含む）について入場料の割引やクーポン付与で2割相当分（上限2000円）安くする。商店街事業は、商店街のキャンペーン、イベント、観光商品開発などを補助する。

　キャンペーンは経済産業省が企画したが、3000億円を超える事業委託費が大きすぎるとの批判を受け、トラベル事業は国土交通省、イート事業は農林水産省の所管に変わった。Go To キャンペーンは感染症収束後の事業のはずだったが、キャンペーン開始後も流行が広がり、キャンペーン全体の一時停止や東京都、大阪市、札幌市などの感染拡大地域のトラベル事業からの除外、イート事業の対象人数制限措置などをとらざるを得ず、感染予防策との両立のむずかしさが浮き彫りになった。

［矢野　武　2021年3月22日］

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

知恵蔵mini

Go To キャンペーン

新型コロナウイルスの感染拡大により経済的に打撃を受けた業種への支援を目的とした国の需要喚起キャンペーン事業の総称。観光業を対象とした｢Go Toトラベル｣、飲食業を対象とした｢Go Toイート｣、イベント・エンターテイメント業を対象とした｢Go Toイベント｣などがあり、内閣官房、経済産業省、国土交通省、農林水産省が連携して消費者に対し、クーポン・ポイント券の付与、代金の補助、チケットの割引などの需要喚起策を行う。2020年7月から段階的に開始され、新型コロナウイルス感染症の拡大状況にあわせて一時的に一部地域をキャンペーンの対象から除外するなどの措置をとりながら実施された。導入当初から注目を集め、同年のユーキャン新語・流行語大賞ではトップテンに選出された。

(2020-12-03)

出典　朝日新聞出版