J―ADNI(読み)じぇいあどに

共同通信ニュース用語解説 「J―ADNI」の解説

J―ADNI

画像や体液検査を通じ、記憶障害が現れ始めた軽度認知障害の状態からアルツハイマー病に進む際、脳に変化が起きるかを調べた臨床研究名称新薬開発の際の基礎データとして役立てる目的で、国や製薬企業から資金援助を受け2007~12年に研究対象者計545人を登録したが結果はまとまっていない。より早期段階を対象にした後続のJ―ADNI2は13年に始まったが、J―ADNIの問題が発覚した影響で停止している。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「J―ADNI」の意味・わかりやすい解説

J-ADNI
じぇいあどに

アルツハイマー病研究の国家プロジェクト。アルツハイマー病がどのように発症して進行するかを明らかにし、治療法や治療薬の効果の確認、および予防薬の開発に寄与する指標を導き出すための臨床研究である。名称は日本アルツハイマー病脳画像診断先導的研究Japanese Alzheimer's Disease Neuroimaging Initiativeの略である。具体的には、早期アルツハイマー病患者と軽度認知障害(MCI:Mild Cognitive Impairment)患者および健康な高齢者に対して、血液検査や心理検査、脳の実態を探るMRI検査PET検査などを行い、検査データをもとにアルツハイマー病の発症と進行について調べる。

 ADNIはもともとアメリカ国立衛生研究所(NIH:National Institutes of Health)が国の主導で行っているアルツハイマー病研究で、日本では2008年(平成20)から全国38の国立と民間の研究機関および大学や病院の研究施設において本格的な研究が始められた。ADNIの研究はアメリカと日本のほかヨーロッパ連合(EU)やアルゼンチン、オーストラリア、韓国、台湾、中国で行われている。

[編集部]

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