MMF(読み)エムエムエフ

デジタル大辞泉 「MMF」の意味・読み・例文・類語

エム‐エム‐エフ【MMF】[money market fund]

money market fund外貨で運用される追加設定可能なオープンエンド型投資信託。高い格付けの外国債券や政府保証債など安全性の高い短期金融商品を中心に運用される。投資単位が小口で換金自由、期限が無制限で提携銀行の小切手振り出しが可能であるのが特徴。運用実績により分配されるが、為替変動によるリスクがある。為替差益は非課税。外貨預金と比べ制約が少なく、利率や為替手数料が有利なことが多い。日本では、USドル建てMMF、CA(カナダ)ドル建てMMF、豪ドル建てMMF、NZニュージーランド)ドル建てMMF、ユーロ建てMMFなどの外貨MMF商品として購入できる。短期金融資産投資信託マネーマーケットファンド。→MMF(マネーマネージメントファンド)

エム‐エム‐エフ【MMF】[money management fund]

money management fund株式を組み込まずに、国内外の公社債CPコマーシャルペーパー)、CD譲渡性預金)などの短期金融商品で運用するオープン型投資信託。1円以上1円単位で購入でき、毎日計上される収益は1か月分まとめて再投資されるので複利運用が期待できる。信託期間無期限で運用実績により分配される。平成4年(1992)から募集マネーマネージメントファンド。→MMF(マネーマーケットファンド)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「MMF」の意味・わかりやすい解説

MMF(Money Management Fund)
えむえむえふ
Money Management Fund

短期金融市場(マネー・マーケット)の商品を対象に運用されるアメリカの投資信託商品であるMMF(Money Market Fund)をモデルにして、日本で商品化された追加型公社債投資信託の一種。1992年(平成4)5月から販売された。毎日決算を行い、収益分配金は月末にまとめて再投資するため、複利効果を発揮する。購入後30日以上経過すれば、いつでも無手数料で換金することができる。

 投資対象は、国内外の公社債(国債、地方債、政府保証債、社債)やコマーシャルペーパー(commercial paper=CP)、譲渡性預金(certificate of deposit=CD)などの短期金融商品が中心で、株式はいっさい組み入れない。リスクを低く抑えながら安定した収益確保を目ざすが、投資成果は運用実績によって変動するため、運用会社によって利回りは異なる。申込単位は1円以上1円単位で、申込日の正午までに入金が確認されれば当日の分配金が支払われる。投資家にとって総じて利便性の高い商品であるが、換金に際しては販売会社によって当日引出しの限度額が定められているほか、購入後30日未満では信託財産留保額が差し引かれるなどの制約もある。

[高橋 元]


MMF(Money Market Fund)
えむえむえふ
Money Market Fund

アメリカで広く普及している貯蓄性の短期投資信託。格づけの高い短期国債や社債で運用しており、日本の銀行預金のように安全な金融商品とみなされていた。だが2008年9月のアメリカ大手証券会社リーマン・ブラザーズの破綻(はたん)で、同社の社債を組み込んだ大手運用会社リザーブ・マネジメント社のMMFが元本割れし、取り付けさわぎが起き、信用が大きく揺らいだ。このためアメリカ財務省はMMFの元本を保証する制度を導入した。MMF残高は2008年秋頃に約3兆7000億ドルあったとされるが、投資家の解約が相次ぎ、一時は5000億ドルを超える資金が流出したという。この際、投資家やファンドが一斉に現金化したため、短期金融市場はドル資金が枯渇する事態に陥った。

 日本では外貨MMFの名称で、国内証券会社や銀行が取り扱っている。外国為替(かわせ)変動リスクがあるが、外貨預金と違って為替差益に税金がかからず、為替手数料も安い傾向にある。日本国内の短期性債券を中心に運用する公社債投資信託、マネー・マネジメント・ファンド(MMF)とは別の金融商品。

[編集部]

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百科事典マイペディア 「MMF」の意味・わかりやすい解説

MMF【エムエムエフ】

Money Market Fundsの略。MMM(Mutual)Fともいう。投資家の小口資金を集め,短期金融市場で運用する米国の投資信託のこと。具体的には米国の金融市場で流通している米国財務証券や譲渡可能定期預金証書,コマーシャル・ペーパーなどの小口資金(500〜1000ドル程度)を短期証券で運用する。換金自由で小切手が振出し可能という要求払い預金と類似した機能を持ち,銀行預金の強力な対抗商品となっている。1971年に誕生し,利回りも確実で比較的高利回りであるため,1970年代後半以降,米国では本格的に普及し,預金金利自由化の引き金となった。日本においても米国をモデルとしたMMF(Money Management Fund,追加型公社債投資信託の一種)が1992年5月に販売開始された。預入金額が1万円以上1円単位で,預金後30日を経過すれば手数料なしで1円単位の換金可能というもの。

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投資信託の用語集 「MMF」の解説

MMF


日々決算を行う、公社債投資信託の一つ。投資信託協会の規則において、投資先資産が制限されており、リスクの低い運用を行っている。(元本保証ではない)

出典 (社)投資信託協会投資信託の用語集について 情報

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