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技術移転 ぎじゅついてんtechnology transfer

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

技術移転
ぎじゅついてん
technology transfer

日本企業国際化が製品輸出の段階から現地生産海外での研究開発にシフトするにつれ,国内で保持している技術をいかに海外に移転するかが重要な問題になってきた。技術には,マニュアル化できないさまざまなノウハウの部分が多く,現地に人を派遣して直接業務に携わらせたり,指導を行なう必要がある。ただしその場合でも,組織に対する考え方の違いなどの理由で移転先が技術をうまく受け入れられないといったことも起こりうる。また,海外にさまざまな機能を移すと,その分国内の事業規模が小さくなることも起こってくる。これを防ぐために国内では新規事業開発を活発に進めるなどの活動を行なう必要も生じてくる場合がある。

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デジタル大辞泉の解説

ぎじゅつ‐いてん【技術移転】

高水準の技術を他へ移行すること。企業間・地域間・国際間で行われる。先進国から工業化をめざす開発途上国への移転など。

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百科事典マイペディアの解説

技術移転【ぎじゅついてん】

ある国が持っている技術を他国に供与すること。従来は発展途上国が先進国に対して技術革新前の古い技術を要望する構図が主流であったが,近年は,発展途上国の豊富で安価な労働力を背景に,先進国が発展途上国に対して最先端の技術を供与してライセンス生産させるケースが目立ってきている。
→関連項目中国高速鉄道

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世界大百科事典 第2版の解説

ぎじゅついてん【技術移転 technology transfer】

ある技術が,国境をこえ,あるいは企業から別の企業に,移転または伝播する現象をさす。技術伝播,テクノロジー・トランスファーともいう。この現象が重視されるのは,発展途上国の開発にとって不可欠だからであり,今日,国連その他国際機関で研究がさかんである。技術には,ハードウェア(生産技術)とソフトウェア(経営技術)がある。まず移転の形態から述べると,(1)科学文献,学者の交流という基礎的土壌の形成,(2)技術者,管理者の教育・訓練,(3)企業によるパテント(特許)の売買,ノウ・ハウ(特定の技術を特許権の登録をせず自社の秘密にしておくもの)の供与,(4)直接投資による自社技術の適用,(5)政府間技術協力がある。

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大辞林 第三版の解説

ぎじゅついてん【技術移転】

技術力の高い国・企業・産業分野から技術力の低い方へ技術が移されること。例えば、先進国から発展途上国への技術援助や、宇宙開発技術の民生分野への応用など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

技術移転
ぎじゅついてん
technology transfer

すでに存在する高水準の技術を他へ移行することによる技術開発をいう。諸企業間、諸地域間で生じる国内技術移転も含むが、普通には国際的な移転をさすことが多い。移転される技術は一般に、中間生産物、機械設備、人的能力、生産流通体系、マーケティング・システムなどさまざまな形をとる。ライセンシング協定、特許の譲許、経営契約、コンサルティング・サービスなどの技術契約だけでなく、今日では、技能も含めた一括移転が特徴となっており、多国籍企業の直接投資によって移転されることも多い。
 技術移転は、生産性上昇のための有効な技術開発の手段であるから、発展途上国の経済発展にとっても重要な戦略と考えられる。しかし、今日もその効果を発揮している国際間の技術移転の大部分は先進国間のそれであって、先進国から発展途上国への技術移転はあまり成果をあげていない。その原因は、まず、特定の財貨を生産するための技術は、より一般的な生産に関する知識、さらには一定の教育水準や思考様式を前提とするものであって、国際間で一般的知識水準の格差が大きい場合、生産に関する技術の移転は十分な効果を発揮できないからである。また、発展途上国への技術移転は、現実には多国籍企業の直接投資によって行われることが多いが、その場合、移転される技術が発展途上国の経済にとって適当かどうかも大きな問題となる。発展途上国には資本に比して労働が豊富に存在しており、とくに都市には多くの失業者や半失業者が存在することが多いが、移転される技術が近代的、資本集約的なものであれば、雇用の創出効果や技術の習得効果は小さいからである。
 しかし、先進国からの直接投資は、それが発展途上国で一種の「飛び地」を形成することなく、そこでの生産要素の存在状態や技術水準に適合した合弁事業として運営されれば、適切な技術移転を通して、経営者、技術者、労働者が熟練と経験を集積することに貢献すると期待できる。[村上 敦]
『斎藤優著『技術移転論』(1979・文真堂) ▽朴宇煕・森谷正規著『技術吸収の経済学』(1982・東洋経済新報社) ▽山崎清・林吉郎編『国際テクノ戦略』(1984・有斐閣)』

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