ASP(読み)えーえすぴー

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ASP」の意味・わかりやすい解説

ASP
えーえすぴー

パソコン用のアプリケーション特定の作業のためのソフトウェア)を、個々のローカルマシンにインストールするのではなく、インターネットを介してウェブブラウザ上で使用できるようにするサービス、もしくはそうしたサービスを提供する事業者のこと。アプリケーション・サービス・プロバイダーApplication Service Providerの略。クラウドコンピューティングの一形態で、個々のパソコンへのアプリケーションのインストールやアップグレードにかかる費用や手間が少なくなるため、とくに企業などにおいては情報システム部門の負担を大幅に軽減できる。従来は大規模な業務システムが対象であったが、ワープロ表計算など日常的に使われるアプリケーションも利用できるようになっている。

 ASPは1998年ごろから欧米で用いられるようになり注目を集め、日本でも多くの事業者が市場に参入したものの、ブロードバンド環境の未発達、提供されるアプリケーションの未整備などの理由から、本格的に利用が広がることはなかった。その後、通信インフラの発達と低廉化が進み、2002年ごろから、ふたたび注目されるようになり、機能面、性能面での向上もあって、その市場を拡大させている。SaaS(サース)(Software as a Service)とよばれることも多いが、業界団体であるASPIC(アスピック)(ASP・SaaS・クラウド コンソーシアム)と総務省による報告書などでは、ASPとSaaSを実質的に同一のものとして扱っているため、ASP・SaaSと併記されることもある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android