DNAコンピューティング(読み)ディーエヌエーコンピューティング(その他表記)DNA computing

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説

DNAコンピューティング
ディーエヌエーコンピューティング
DNA computing

従来のシリコンチップではなくデオキシリボ核酸 DNAなどの生体分子を用いて演算処理を行なうこと。個々の分子(あるいは原子)を計算に利用できるという考えは,1959年,アメリカ合衆国の物理学者リチャード・ファインマンナノテクノロジーの概念を提唱したことにさかのぼる。しかし DNAコンピューティングが物理的に実現したのは,アメリカのコンピュータ科学者レオナルド・エーデルマンが DNA分子を使って数学の問題を解いてみせた 1994年のことだった。
演算処理はアルゴリズムの実行とみなすことができる。アルゴリズムそのものは,入力を取り入れ,処理し,結果を算出するまでの矛盾なく定めた段階的な命令のリストと定義できる。DNAコンピューティングでは,一般的なコンピュータで用いるバイナリアルファベット(0と 1)ではなく,4文字の遺伝子アルファベット(A アデニン,G グアニン,C シトシン,T チミン)で情報を表現する。そして演算処理は,命令に応じて任意の短い DNA分子が生成されることによって可能になる。したがって DNAコンピューティングでは,アルゴリズムの入力は特定配列をもつ DNA分子によって表現され,命令は実験室での分子操作(長さによって分類したり,特定の配列を含む鎖を切断するなど)によって実行され,結果は最終的な生成分子の特性(特定の配列の有無など)として定義される。エーデルマンの実験意義は,生体分子を用いて小規模な計算を行なった点にある。しかしより大きな意義は,この実験が生化学反応を直接プログラムする可能性を開いたことにあった。

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