S(読み)えす

日本大百科全書(ニッポニカ) 「S」の意味・わかりやすい解説

S
えす

英語アルファベットの第19字。2本の歯を表すエジプトの象形文字を起源とし、Wに類似したセム文字を経由して発達した。ギリシア文字にはsの音を表記するものとしてσとςがあったが、シグマςからラテン文字を通じて現在の形となった。化学では硫黄(いおう)を表す元素記号であり、方位では南を、服などのサイズでは小smallを、また文法用語では単数を表す。天気図では雪の略号であり、通貨単位で$はドルを表す。中世ローマ数字では7または70を表していた。S.O.S.は俗にいうSave Our Soul (Ship)の略ではなく、危急の際にもっとも打電しやすいモールス信号の組合せである。英語においてsは名詞の複数形を表す語尾であり、動詞の三人称単数現在、直接法能動態を示す語尾である。また'sは所有格を示す語尾であり、口語ではis, has, doesなどの省略形として用いられる。

[斎藤公一]

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化学辞典 第2版 「S」の解説

S
エス

セリン(serine)の1文字表記.【スベドベリ単位(Svedberg unit).超遠心機によって生じさせた強力な重力場中をコロイド粒子生体高分子が沈降するときの速度から,それらの大まかなサイズを推定することができる.沈降速度と遠心加速度は比例関係にあるが,このときの比例定数(沈降定数)にもとづいて定められた単位で,先駆的研究者(T. Sverdberg(スベドベリ))の名前にちなんで用いられている.S値は分子の形や大きさに影響されるので,分子量には正確に比例しない.[別用語参照]沈降速度法

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内のSの言及

【調性】より

…今日一般に調性といった場合,狭義の機能和声的調性を意味する場合が多い。調性という言葉は1821年フランスの著述家カスティル・ブラーズCastil‐Blazeによって最初に用いられたが,先に述べた広・狭義の調性概念はフェティスの1844年の論文によって確立された。
[機能和声的調性]
 機能和声は長調・短調の全音階に基づいており,そこから3度音程で構成される3和音(和音)相互の機能関係から成っている。…

【和声】より

…広義には,ヨーロッパ音楽では中世のオルガヌム以降,ルネサンスのポリフォニー音楽などに,まだ十分に規則化されない和声現象が豊かにみられ,また民族音楽においても,ガムラン,雅楽などをはじめとして多くみられる。しかし和声という概念は,本来ヨーロッパ音楽において用いられた概念であり,民族音楽においては,これと区別して多音性あるいは多声性Mehrstimmigkeitという概念でとらえるのが普通である。
[機能和声functional harmony]
 機能和声法とは,おもに17世紀終りから20世紀初頭までの長・短調(調長調)の音階に基づくヨーロッパ音楽を支配した和音連結の法則であり,作曲技法の基礎であった。…

※「S」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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