日本大百科全書(ニッポニカ) 「SA」の意味・わかりやすい解説 SAえすあー ナチ党(ナチス)の突撃隊Sturmabteilungの略称。1921年創設の党の大衆的準軍事組織で、その任務は、党集会の警備にとどまらず、テロ活動にあった。30年以後レーム指導下に新たな発展をみせる(隊員数30年7万7000人、33年70万人)が、「ナチス第二革命」の遂行、国防軍の吸収再編を強く要求したためヒトラーは34年6月末レームら突撃隊幹部を殺害させた(レーム事件)。以後、突撃隊は政治的意味を失い、親衛隊SSにとってかわられる。[吉田輝夫] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「SA」の意味・わかりやすい解説 SAエスアーSturmabteilung ナチス突撃隊。ナチスの大衆集会の用心棒の集りが 1921年に組織化されたもの。同突撃隊は,反ナチス党に対する実力行使とナチスの思想宣伝の推進者であった。 31年元国防軍人 E.レームが指揮をとるようになって組織も軍隊と同様に巨大化し,また暴力集団化して国防軍と鋭く対立したため,34年 A.ヒトラーはレームはじめ組織の中核数百人を反逆のかどで処刑した。こうして力を失った組織は勢力をSS (ヒトラー親衛隊) に譲った。 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報