ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「オイゲン」の意味・わかりやすい解説
オイゲン
Eugen, Prinz von Savoyen
[没]1736.4.20/21. ウィーン
オーストリアの軍人,将軍,政治家。サボイア家弟系のソワソン伯家の出身。カルロ・エマヌエレ1世の孫で,フランスの宰相 J.マザランの姪オランプ・マンシニを母とする。フランス王ルイ 14世に用いられず,オーストリアにおもむき,レオポルト1世以下ヨーゼフ1世,カルル6世と3代の皇帝に仕え多くの戦いに功を立てた。 1683年ウィーンに来襲したトルコ軍を撃退,89年ルイ 14世の軍とイタリアに戦い,97年トルコ軍と戦い,スペイン継承戦争ではトリノ会戦でフランス軍と戦い決定的勝利を収めた。またドイツでは,ホルシュテット・ブリントハイムの戦いで,フランスおよびバイエルンの連合軍を撃破した。 1716年ネーデルラント総督となったが,トルコとの戦いに3度軍を進め,17年ベオグラードを奪取してパッサロウィッツの講和をもたらした。このベオグラードの戦いの勝利は輝かしいもので,彼の名前を高め,戦史上すぐれた将軍の一人として名をとどめている。また政治,外交にも手腕を発揮して,カルル6世治下のオーストリアの隆盛に大いに貢献した。
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