トップ選手強化や市民レベルのスポーツ振興などに専門的に取り組む新たな官庁。施設を整備する国土交通省、健康増進を担う厚生労働省など、多くの府省に分散するスポーツ関連事業を調整し、施策の効率的な実施を目指す。2011年に成立したスポーツ基本法の付則にスポーツ庁の検討が盛り込まれ、2年前の東京五輪・パラリンピック決定で動きが加速。ことし5月に設置が決まった。
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(大迫秀樹 フリー編集者/2015年)
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日本のスポーツ行政を一元的に担う文部科学省の外局。2015年(平成27)2月に閣議決定、同年の通常国会で成立した改正文部科学省設置法に基づき、2015年10月発足。2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会に向けた選手強化、スポーツ人口の裾野(すその)拡大、国民の健康増進、障害者スポーツの充実・振興、スポーツを通じた国際貢献や地域振興、国際スポーツ大会の日本招致などを担当する。文部科学省の学校体育振興や国際競技力向上を担う「スポーツ・青少年局」を母体に、国土交通省の運動施設部門、厚生労働省の健康増進部門、外務省のスポーツ国際交流部門など、複数省庁にまたがるスポーツ関連部署を統合する。「政策課」「スポーツ健康推進課」「競技力向上課」「スポーツ国際課」「オリンピック・パラリンピック課」の5課を設置。2011年に成立したスポーツ基本法は附則第2条で「政府は、スポーツに関する施策を総合的に推進するため、スポーツ庁及びスポーツに関する審議会等の設置等行政組織の在り方について、政府の行政改革の基本方針との整合性に配慮して検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする」と明記している。2012年12月、首相安倍晋三(あべしんぞう)が文部科学大臣にスポーツ庁設置について検討するよう指示し、設置の動きが進んだ。
[矢野 武 2015年9月15日]
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