分際(読み)ぶんざい

精選版 日本国語大辞典 「分際」の意味・読み・例文・類語

ぶん‐ざい【分際】

〘名〙 (「ぶんさい」とも)
① その人、その物それぞれに応じた程度分斉
※名語記(1275)二「分際のほどをさしていへる義也」
※福音同盟会と大挙伝道(1901)〈植村正久〉「自らの分際を揣(はか)らずして伝道せんと試み」 〔史記‐儒林伝・序〕
② 身のほど。身分の程度。分限。分斉。
建武式目(1336)一三条「可礼節事〈略〉凡上下各守分際、言行必可礼儀乎」
※足利本論語抄(16C)憲問第十四「伯寮が分才で天命をばゑはかるまいぞ」
分量数量
※建武式目(1336)一〇条「仮令雖百文之分際、為賄賂者、永不仕其人
太平記(14C後)三六「爰にて敵の分際(ぶんサイ)を問ふに」

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デジタル大辞泉 「分際」の意味・読み・例文・類語

ぶん‐ざい【分際】

《古くは「ぶんさい」とも》
身分・地位の程度。身のほど。分限。大した身分でもないのに、という軽蔑けいべつの気持ちを込めて用いることが多い。「学生分際でぜいたくだ」
それぞれに応じた程度。ほど。
「我が―を知りて、その果報の程にふるまはば」〈沙石集・一〇本〉
分量。数量。
「ここにて敵の―を問ふに」〈太平記・三六〉
[類語]身分身の程ステータス分限

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「分際」の読み・字形・画数・意味

【分際】ぶんさい

けじめ。分限。〔史記、儒林伝序〕天人際をらかにし、古今の義にじ、(じが)、訓辭深厚、恩施甚だ美なり。

字通「分」の項目を見る

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