ききゅう‐そんぼうキキフソンバウ【危急存亡】
- 〘 名詞 〙 ( 古く「ききゅうぞんぼう」とも ) 危難が迫って、現在のまま残り続けられるか、それとも滅びてしまうかというせとぎわ。生きるか死ぬかの境。
- [初出の実例]「危急存亡之秋 キキフゾンバウノトキ」(出典:文明本節用集(室町中))
- 「我が邦は今や偶然危急存亡(キキフソンバウ)の際に陥りました」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉矮人巨人)
- [その他の文献]〔諸葛亮‐前出師表〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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危急存亡
危難が迫って、現在のまま残り続けられるか、それとも滅びてしまうかというせとぎわ。生きるか死ぬかの境。
[活用] ―の秋。
[使用例] 我が邦は今や偶然危急存亡の際に陥りました。昨日までも安らけく治まる御代の太平を寿いてましたが、驕慢暴悪なる夷狄の悪魔は今日突然来って我々の国を辱しめ我々の同胞アンテアンスを殺してしまいました[内田魯庵*社会百面相|1902]
[使用例] それは、わが宗祖、法然上人は、わが日本国が外敵によって亡ぼされることをお許しになるかどうか、わが浄土宗は、わが日本帝国の危急存亡の時にあたって、国を守るためのもっとも有力な精神的武器とならないですまされるかどうか[武田泰淳*快楽|1960]
[解説] 古くから使われていることばで、「三国志」で諸葛孔明が帝に奉った「出師の表」にも出てきます。「今や私の監督する益州は疲弊し、まさに危急存亡の秋を迎えています」というのです。
「危急」は、危険が迫った様子。「存亡」は、存続するか滅びるかの分かれ目ということ。「秋」を「とき」と読むのは、重要な局面の場合です。常用漢字表に従って「時」と書いてもかまいません。
この成句にはいくつかのバリエーションがあります。例文の[社会百面相]にあるように「危急存亡の際」と言ったり、「存亡の淵」「存亡の分かれ目」「存亡の(危)機」などと言ったりもします。
最近、「『存亡の危機』は誤りで『存亡の機』が正しい」という主張が話題になりました。これは根拠のない説です。
右に示したように、「存続か滅亡かの危機」を表す言い方は、昔からいくつもありました。「存亡の機」はそのひとつにすぎません。唯一の言い方が正しいということはなかったのです。
出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報
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