昭和期の作曲家
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昭和の大衆歌謡の最大の作曲家。《酒は涙か溜息か》《影を慕いて》《人生劇場》《湯の町エレジー》《悲しい酒》など広く愛唱される〈古賀メロディ〉の数々を残した。福岡県生れで少年時代を朝鮮で過ごし(そのため朝鮮民謡の影響を受けたとされる),明治大学マンドリン・クラブの部員時代に作曲を試み始め,コロムビア・レコード専属作曲家となって,1931年以後次々にヒットを出した。中山晋平に代表される大正期には,唱歌調,新民謡調を脱しきれなかった日本の大衆歌謡が,古賀メロディの時代を迎えて初めて歌謡曲として確立されたと言える。その特徴は日本的なメロディと西洋風のハーモニーやリズム,そしてギターの音色を融合させたことにある。最初に挙げた一連の悲哀に満ちた曲だけでなく《丘を越えて》《青い背広で》といった明るい曲,《ああ,それなのに》のようなコミックな曲もあり,現代大衆のさまざまな生活感情を多様にすくい取る力を持った作曲家であった。
執筆者:中村 とうよう
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作曲家。福岡県生まれ。1929年(昭和4)明治大学商学部卒業。在学中マンドリン・クラブを組織し、28年には処女作『影を慕いて』を発表。31年よりコロムビアなどのレコード会社の専属作曲家となり、多くのヒット曲を生む。それまで中山晋平(しんぺい)の独壇場であった流行歌の世界に古賀メロディーの新風を吹き込んだ。主要作品は『丘を越えて』『二人は若い』『湯の町エレジー』『柔(やわら)』『悲しい酒』など多数。死後、国民栄誉賞が贈られ、「古賀政男記念音楽大賞」が設けられた。古賀政男記念博物館(東京都渋谷区上原3-6-12)がある。
[船山 隆]
『古賀政男著『自伝・わが心の歌』(1982・展望社)』
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1904.11.18~78.7.25
昭和期の作曲家。福岡県出身。明治大学卒。在学中の1928年(昭和3)「影を慕いて」を作詞・作曲。30年コロムビア・レコードへ入社して作曲家の道を歩む。翌年の「酒は涙か溜息か」「丘を越えて」に始まるヒット曲路線は,第2次大戦後も「湯の町エレジー」「柔(やわら)」「悲しい酒」などへと続き,ギターを基調にした古賀メロディー4000曲は多くの人に愛唱された。死後,国民栄誉賞受賞。
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…〈ヨナ抜き短音階〉が用いられ,俗謡に近い音の構成がされているが,リズムは唱歌的なものである。これに〈こぶし〉を加えて,より俗謡に近づけたのが古賀政男で,《酒は涙か溜息か》(高橋掬太郎作詞,1931)では,ギターが三味線風に用いられ,歌謡曲とギターが密接に結びつけられ,また歌謡曲の音楽様式が確立したのである。
[ジャズ歌謡]
昭和に入ってまもなく,ビクター,コロムビア等外国のレコード会社が日本に進出し,ジャズ等ポピュラー音楽がどんどん輸入され,《君恋し》(時雨音羽作詞,佐々紅華作曲,1928)等ジャズのリズムをもった曲が作られるようになった。…
…プロ野球読売ジャイアンツの王貞治が通算最多本塁打世界記録更新にあと一歩と迫った1977年8月30日の閣議の席上,福田赳夫首相が言い出したもので,王の記録(756本)達成の瞬間に初めて適用されることになり,同年9月3日に王に初めて贈られた。その後78年7月作曲家の故古賀政男,84年4月俳優の故長谷川一夫および冒険家の植村直己(受賞時点で消息不明,その後死亡がほぼ確定)に贈られた。お祝い的性格が強いもので,表彰状,盾,記念品が贈られる(その後1989年までに山下泰裕,衣笠祥雄,故美空ひばり,千代の富士が受賞)。…
… 1962年,日活のアクション・スター小林旭(1938‐ )と結婚,しかし〈スター同士の結婚〉は長続きせず,64年に離婚する。翌65年,作曲に古賀政男を得た《柔(やわら)》によって初のレコード大賞(第7回)を受賞,続く66年にも古賀政男の《悲しい酒》でヒットを飛ばし,〈演歌の女王〉〈歌謡曲の女王〉としての貫禄も示すようになる。 だが,その後1960年代末から70年代,80年代にかけては,歌謡界(そしてそれを取りまく社会)の状況の変化もあって新しいヒットが生まれず,また,弟かとう哲也のたび重なる逮捕事件,暴力団との関係が取りざたされたことなどもあって,多くの社会的批判を浴びることとなった。…
※「古賀政男」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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