作曲家。長野県出身。18歳で上京,島村抱月の書生となる。1912年東京音楽学校本科(ピアノ)を卒業し,浅草区内の小学校に勤務。14年抱月の依頼で芸術座第3回公演《復活》の劇中歌《カチューシャの唄》(相馬御風・島村抱月作詞)を作曲,これが主演女優松井須磨子の歌で評判になり,作曲家として一躍名を知られるようになった。翌15年,同じ芸術座公演《その前夜》のために《ゴンドラの唄》(吉井勇作詞)を作曲,竹久夢二の装丁で楽譜が出版された。その後,《船頭小唄》(野口雨情作詞),《出船の港》(時雨音羽作詞)や《東京行進曲》《東京音頭》(ともに西条八十作詞)などによって,日本民謡の特徴を巧みに生かした大衆歌謡の様式を確立した。一方,《コドモノクニ》や《金の船》などの雑誌に《舌切雀》《証城寺の狸囃子》《砂山》《てるてる坊主》などを発表。28年からビクターの専属となり,佐藤千夜子の歌で数々のヒットソングを生んだ。作品総数約2000曲。中山卯郎編著《中山晋平作曲目録・年譜》(1980)や作品全集が出版されている。
執筆者:後藤 暢子
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(小島美子)
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大正・昭和期の作曲家 日本音楽著作権協会会長。
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作曲家。長野県生まれ。1912年(明治45)東京音楽学校本科(ピアノ)卒業。14年(大正3)島村抱月主宰の芸術座公演『復活』(松井須磨子(すまこ)主演)に際して『カチューシャの唄(うた)』を作曲。以後、歌謡曲で数々のヒット曲を作曲し、また一方で童謡運動や新民謡運動の分野でも活躍した。昭和初期のレコードによる大衆音楽普及時代に、日本の音階やリズムの特徴を生かした「晋平節」といわれる独特の庶民的歌謡様式をつくりあげた。作曲数は2000曲を超えるが、おもなものに歌謡曲『船頭小唄』『東京行進曲』、童謡『てるてる坊主』『証誠寺(しょうじょうじ)の狸囃子(たぬきばやし)』、新民謡『波浮(はぶ)の港』『東京音頭』などがある。
[船山 隆]
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1887.3.22~1952.12.30
大正・昭和期の作曲家。長野県出身。1905年(明治38)上京,島村抱月の書生をしながら東京音楽学校を卒業。14年(大正3)芸術座公演「復活」の劇中歌「カチューシャの唄」を手始めに,「さすらいの唄」「船頭小唄」「東京行進曲」「東京音頭」など,民謡の音階とリズムを生かした大衆歌謡を作曲し,晋平節として広く愛唱された。「あの町この町」「証城寺の狸囃子(たぬきばやし)」ほか童謡も数多く残す。
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…鈴木三重吉が〈子供たちの学校の唱歌なぞが,その歌章と附曲と二つながら,いかに低俗な機械的なものであるかといふことは,最早罵倒するにさへ価しない〉と述べているように,徹底した学校の唱歌の批判の上に立っていた。作曲は初め成田為三があたり,次いで山田耕筰が加わり弘田竜太郎,藤井清水(1889‐1944),草川信(1893‐1948),中山晋平ら当時の第一級の音楽家が参加していた。詩がわらべうたなどの日本の伝統の上に立とうとしていたのに対し,曲は西洋音楽を基礎とし伝統とはほど遠いものであった。…
…1914年,文部省文芸委員会が全国道府県から集めた郷土の歌を《俚謡集》と名づけて刊行したのもその意味で,レコードもその種の歌を俚謡と銘打って売り出すことが多かった。しかし大正年間(1912‐26)からはしだいに民謡の語が普及し,宮城県出身の後藤桃水(とうすい)らが1922年に大日本民謡研究会を組織したり,北原白秋,野口雨情,中山晋平,藤井清水(きよみ)(1889‐1944)らの詩人・音楽家が新民謡運動を興したりして,いつしか民謡は従来の俚謡・俗謡以外にも,芸人の手で洗練された地方歌,俚謡の形式と気分を生かした創作歌謡までを含む広い概念のものになった。
[民謡の種類]
日本民俗学の祖柳田国男は,民謡を〈平民のみずから作り,みずから歌っている歌〉(《民謡の今と昔》),〈作者のない歌,捜しても作者のわかるはずのない歌〉(《民謡覚書》)などと規定し,そうした歌謡の歌われる場と目的の面から民謡の種類を次のように分類した。…
※「中山晋平」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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