犬寄峠(読み)いぬよせとうげ

日本歴史地名大系 「犬寄峠」の解説

犬寄峠
いぬよせとうげ

[現在地名]中山町佐礼谷

大洲おおず城下から松山城下に至る大洲道の中山―郡中ぐんちゆう間にある。標高三〇六メートル。「予陽河野家譜」元亀三年(一五七二)七月、安芸毛利氏の「伊予来寇云々」の条には「犬吉峠」とある。犬寄の地名は、昔この辺りに山犬が多く、しばしば旅人を襲ったため名付けられたという。松山から大洲に向かう飛脚が山犬に襲われた話や、鉄砲の名手畑の左衛門が山猫を退治した伝説が残されている。現在国道五六号のトンネルが峠下に開通し、また国鉄内山線も完成が近い。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「犬寄峠」の意味・わかりやすい解説

犬寄峠
いぬよせとうげ

愛媛県中部,伊予市の大洲街道にある峠。標高 330m。 1895年に開通した堀切は標高 306m。 1970年峠の下に国道 56号線の長さ 749mのトンネルが完成した。江戸時代には犬寄に本陣があった。峠の名は山犬,オオカミが多かったことにちなむが,1960年までは松山平野役牛を中山地方で預るため,約 1000頭のウシがここに集った。 1986年3月四国で最長の JR予讃線 (内子線) 犬寄トンネル (6012m) が開通した。

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