藤原啓(読み)ふじわらけい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「藤原啓」の意味・わかりやすい解説

藤原啓
ふじわらけい
(1899―1983)

陶芸家。本名は敬二。岡山県生まれ。1919年(大正8)に上京、21年早稲田(わせだ)大学英文科に入学したが、翌年中退し文学を志す。以後約15年、詩や小説の執筆・出版活動を続けたが、37年(昭和12)帰郷。三村梅景(ばいけい)、金重陶陽(かなしげとうよう)の指導で郷里穂波(ほなみ)に窯を築き、陶工として再出発する。のち陶陽ともども桃山時代の備前焼(びぜんやき)茶陶再興に尽くした。作風は端正で、めりはりの効いた野趣に富み、その姿勢は陶陽とは好対照であった。70年(昭和45)重要無形文化財保持者に認定された。

[矢部良明]

『『藤原啓自選作品集』(1981・朝日新聞社)』『村山武著『人間国宝シリーズ3 藤原啓』(1979・講談社)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原啓」の解説

藤原啓 ふじわら-けい

1899-1983 昭和時代の陶芸家。
明治32年2月28日生まれ。文学の道をこころざしたが,昭和12年郷里の岡山県にかえる。三村梅景,金重陶陽(かねしげ-とうよう)の指導で作陶生活にはいる。備前焼の再興につくし,45年人間国宝となる。端正で豪放な作風で知られた。長男雄(ゆう)も人間国宝。昭和58年11月12日死去。84歳。早大中退。本名は啓二。

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