高麗史節要(読み)こうらいしせつよう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「高麗史節要」の意味・わかりやすい解説

高麗史節要
こうらいしせつよう

1452年になった朝鮮、高麗一代に関する編年体史書。35巻。前年紀伝体の『高麗史』が完成すると、紀伝、編年両史並撰(へいせん)の方針に従い、金宗瑞(きんそうずい)(1390―1453)、鄭麟趾(ていりんし)(1396―1478)らが命を受けてわずか半年で撰進した。量的には『高麗史』の約3分の1であるが、内容からいえば、その要略本ではけっしてない。史料価値に上下はなく、高麗時代を研究するには、かならず両書を比較対照しなくてはならない。

浜中 昇]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高麗史節要」の意味・わかりやすい解説

高麗史節要
こうらいしせつよう
Koryǒsa-chǒlyo

朝鮮,高麗朝の史書。朝鮮王朝 (李朝) の文宗2 (1452) 年,春秋館の撰により成立。 35巻。編年体で書かれ,同時に編纂された『高麗史』に比較すると記述内容は劣るが,『高麗史』にない史料があるので重要視される。完本が蓬佐文庫 (名古屋) にあり,1960年学習院東洋文化研究所から景印出版された。

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世界大百科事典(旧版)内の高麗史節要の言及

【高麗史】より

…高麗時代は外圧・内乱等の混乱による記録の亡失が多く,加えて,編纂者の錯誤もあって,ときに簡略・杜撰などの面がみられるが,最も基本的・体系的高麗王朝史として重要である。ところで,高麗王朝史の編纂は元来編年体で進められていたのであり,その成果は,本書成立の翌年,同じく鄭麟趾らにより,《高麗史節要》(35巻。編年体)としてまとめられた。…

※「高麗史節要」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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