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史実の展開や人物の事績を時を追って記す年代記であり、歴史叙述の形式としてはもっとも伝統的、かつ普遍的なもの。中国でも起源が古く、孔子(こうし)の著作といわれる『春秋(しゅんじゅう)』、その注釈書の一つ『春秋左氏伝(さしでん)』、また『前漢紀(ぜんかんき)』『後漢紀(ごかんき)』などがある。『史記(しき)』以後、正史は紀伝体(きでんたい)で記されることになったが、紀(本紀(ほんぎ)、帝紀(ていき))もまた編年体である。北宋(ほくそう)の司馬光撰(しばこうせん)『資治通鑑(しじつがん)』(294巻)はもっとも優れた編年史であり、周代から五代(ごだい)末までのことを記す。このあとを続けた編年史としては、南宋の李燾(りとう)撰『続(ぞく)資治通鑑長編(ちょうへん)』(60巻)、清(しん)の徐乾学(じょけんがく)ら撰『資治通鑑後編』(184巻)などがある。
[尾形 勇]
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中国の歴史書の叙述形式の一つで,年月を追って記事を配列する。紀伝体・紀事本末体とあわせて史の三体といい,「春秋左氏伝」など古い時代の史書はこの形式。歴史の共時的な動きを追うには便利だが,大局的な把握は紀伝体に及ばず,紀伝体が現れるとあまり採用されなくなった。しかし宋代の「資治通鑑(しじつがん)」は編年体の代表的な史書であり,日本の六国史(りっこくし)もこれによっている。
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年月を追って史実を記述する史書叙述形式。紀伝体(きでんたい),紀事本末体(きじほんまつたい)とともに三体という。『春秋』『漢紀』『後漢紀』『資治通鑑』(しじつがん)などがその例。
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…司馬光の《資治通鑑(しじつがん)》をいったん解体し,戦国時代から五代に至る1362年間の歴史を239篇の〈事〉(歴史事象,できごと)に再編成し,それぞれの本末(てんまつ)を記したもの。もともと中国の歴史記述の様式には紀伝体と編年体があるが,前者は各パートが独立しているため,同一の〈事〉が重複して現れることがあるし,後者は時間が主で〈事〉が従であるため,複数の〈事〉が並行して記述されたり,ひとつの〈事〉がしばしば寸断される結果,〈事〉をひとまとまりとしてとらえがたいという欠点がある。袁枢はここに第三のスタイルとして紀事本末体を創案し,その克服を図ったのである。…
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