シバス(英語表記)Sivas

デジタル大辞泉 「シバス」の意味・読み・例文・類語

シバス(Sivas)

トルコ中東部の都市。アナトリア高原の標高1300メートルの高地に位置する。古代ローマ時代はセバステまたはセバスティアとよばれ、交易拠点として栄えた。セルジュークトルコ時代に築かれたウルモスクギョク神学校チフテの塔などが残る。1919年9月、のちに初代大統領となるケマル=アタチュルクが祖国解放につながる国民会議を開いた場所。スィワス。スィバス。シワス

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シバス」の意味・わかりやすい解説

シバス
Sivas

トルコ中央部アナトリア高原の都市で,同名県の県都。クズル川の上流,広大な渓谷平野にあり,標高 1275mに位置する。ローマ帝国により3世紀にセバスチアとして小アルメニアの首都となった。ビザンチン,セルジューク・トルコの各時代を通じて政治,経済の一中心地であった。チムールに破壊されたのち,オスマン帝国領となったが,往年繁栄はみられなかった。 1919年にケマル・アタチュルクにより全国的な規模の会議が開かれ,新トルコ建設のための「国家協約」が承認された地である。かつてはイラン,イラクとの交易の情報センターであったが,鉄道網とハイウェーの発達によって,経済的重要性が次第に回復されつつある。セメント綿布毛織物の工業があり,アンカラとは空路で結ばれている。多くの中世イスラム美術の遺品が保存され,特に 13世紀の学校跡ギョク・メドレセは有名。人口 22万 1512 (1990) 。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シバス」の意味・わかりやすい解説

シバス
しばす
Sivas

トルコの小アジア半島中央東部にある内陸都市。シバス県の県都。アナトリア高原上、標高1300メートルに位置する。人口25万1776(2000)。クズル・ウルマク川の上流河谷にある道路交通の要衝で、小麦などの農産物を集散し、セメント、鉄鋼などの工業も発達する。ローマ、ビザンティン時代にさかのぼる歴史をもち、古くはセバステSebasteなどとよばれた。1919年9月、トルコ革命につながる国民議会がケマルアタチュルクによって開かれた場所として著名である。シファヒエ神学校、チフテの塔など、13世紀のセルジューク時代の史跡に富む。

[末尾至行]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android