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セメント セメント cement

翻訳|cement

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

セメント
セメント
cement

広義には物と物を結合する材料の意味であるが,一般にはモルタルコンクリートをつくるための結合材で,粘土を含有する石灰石や石膏を焼いて粉末としたもの。水を加えて練れば化学反応によって固化する。

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デジタル大辞泉の解説

セメント(cement)

石灰主成分とする、土木建築用の無機質接合剤。石灰石・粘土などを粉砕し、煆焼(かしょう)・焼成して作る粉末。水で練ったあと、疑結・硬化する現象が空気中だけで進む気硬性セメントと、水中でも硬化が進む水硬性セメントとに大別される。普通には後者のポルトランドセメントをさし、コンクリートなどの原料にする。セメン

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百科事典マイペディアの解説

セメント

本来は無機質接着剤の総称だが,一般には土木建築用のポルトランドセメントをさす。石灰やセッコウ(石膏)などを焼成・粉砕したものはギリシアローマ時代の建築物にもみられるが,1756年英国のJ.スミートンが粘土質の不純な石灰石を焼いたものが水硬性をもつことを発見したのが今日のセメントの始まり
→関連項目水硬性セラミックス

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岩石学辞典の解説

セメント

破砕された堆積岩の破片や粒子を互いに結合する物質で,堆積した後に粒子の孔隙に沈澱したもの[Pettijohn : 1957].セメントの作用によって堆積物は堆積岩になる.特に砂岩や礫岩が石化するのは主にセメントの作用による.

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世界大百科事典 第2版の解説

セメント【cement】

元来は物と物とを結合あるいは接着させる性質のある物質を意味するが,慣用的には無機系の接着剤とくに量的に最も多いポルトランドセメントを指す。土木建築におけるように比較的大量に使われる無機系の接着剤には,セッコウ(石膏)のような気硬性のものと,ポルトランドセメントのような水硬性のものとがある。セメントの種類を表1に示す。
[歴史]
 セメントの利用そのものは非常に古く,最も古いセメントはピラミッドの目地に使われた焼セッコウCaSO4・1/2H2Oと砂とを混ぜたモルタルである。

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大辞林 第三版の解説

セメント【cement】

土木建築用の結合剤やコンクリート・モルタルの主原料とする無機質の粉末。水で練り、型に流しこんだり塗りこんだりして放置すると、水和作用により凝固・硬化する。種類が多く、製法も異なるが、シリカ・アルミナ・酸化鉄・石灰・石膏を原料としたポルトランドセメントが最も多く使われる。セメン。
広く接着剤をいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

セメント
せめんと
cement

モルタルまたはコンクリートをつくるために骨材を結合する材料。セメントということばは本来、固める、接合する、結合するという意味をもっているが、これが現在使われている普通名詞としての「セメント」として一般化したのは19世紀の初頭からである。
 セメントには、消石灰(水酸化カルシウム)、石膏(せっこう)、マグネシアセメントなどのような気硬性のセメント(硬化したものは水中では使用できない)と、土木建築工事用や歯科用のような水硬性のセメント(硬化したものは水中でも使用できる)とがあるが、現在、普通にセメントといえば、土木建築工事用として使用される水硬性のセメントのことである。このセメントにはポルトランドセメントのほか、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメントのような混合セメント、およびアルミナセメント、超速硬セメント、コロイドセメント、油井セメント、地熱セメント、耐酸セメント、エコセメントなどのような特殊セメントがある。[西岡思郎]

セメントの歴史

紀元前5000年ごろのエジプトの遺跡として有名なピラミッドの石材の目地に、焼き石膏が使われている。これが気硬性セメントとして使われた最初のものであり、古代ギリシアやローマ時代の遺跡からは、石灰石を焼いてつくった消石灰をセメントとして使った遺物の数々が発見されている。
 ローマ時代から18世紀中葉までの約2000年間はセメントは消石灰の時代であり、なんらの進歩もみられなかったが、1756年に至り、イギリスの石造灯台エディストンEddystoneの建造に際して、機械・土木技術者スミートンが粘土分を含む石灰石を焼いたものをセメントとして使用し成功したのが、今日一般にセメントとよばれる水硬性セメントの最初であったといわれている。その後1796年にイギリスのパーカーJ. ParkerがローマンセメントRoman cement(粘土分を含む石灰石を石灰窯で焼いたのち粉砕してつくったセメント)を考案し、1818年にフランスのビカットL. J. Vicatが高級ローマンセメント(石灰石と粘土とを細かく粉砕して混ぜたものを高温度で焼成したのち粉砕してつくるセメント)を考案し、さらに1824年にイギリスのJ・アスプディンによって石灰石と粘土を主原料とした現在のポルトランドセメントの発明にとつながっている。このポルトランドセメントは1825年から工場で生産されるようになったが、当時ほかのセメント工場で生産されていた高級ローマンセメントと品質的には大差がなかった。ポルトランドセメントがローマンセメントを駆逐したのは1840年以後のことであり、1850年ころからポルトランドセメントの全盛時代が始まった。ポルトランドセメントは1848年にはフランス、1852年にはドイツ、1871年にはアメリカで次々と製造が開始され、ついにその技術が日本にも伝来し、1873年(明治6)東京・深川に官営のセメント工場が建設され(後に払い下げられ、浅野セメント=現在の太平洋セメントとなる)、1875年に初めてセメントが製造された。高炉セメントは1882年にドイツで、アルミナセメントは1908年にフランスでそれぞれ発明された。[西岡思郎]

セメントの製造

ポルトランドセメントの主原料は石灰石と粘土で、そのほかに成分調整のため珪石(けいせき)や酸化鉄原料(鉱滓(こうさい))が用いられる。
 石灰石原料と粘土原料を重量比で4対1の割合で混合し、微粉砕し、約1400℃で焼成し、得られた灰黒色の粒状物がセメントクリンカーcement clinkerである。クリンカーを冷却したのち、重量で約3%程度の石膏を加え、同時に微粉砕してセメントが得られる。石膏を加えるのは、セメントと水との反応(水和)が、その初期に急激におこらないように凝結速度を調節するためである。
 ポルトランドセメントの製造方式には乾式法と湿式法とがある。乾式法は、原料を乾燥して調合し、粉砕し、混合して焼成する方法であり、湿式法は、原料に水を加え、スラリーslurry(粉砕物の濃厚懸濁液)の状態で粉砕し、焼成する方法である。セメント製造の大部分が経済性に優れた乾式法によっている。
 セメントの焼成には回転窯が用いられる。回転窯も現在ではサスペンションプレヒーターsuspension preheater付きキルンkiln(SPキルン)や、ニューサスペンションプレヒーター付きキルン(NSPキルン)などの効率的で経済的な最新式の回転窯が大勢を占めている。セメント焼成に使われる燃料は石油が主であるが、ときには石炭が使われる場合もある。セメントクリンカーを1トン製造するのに必要な熱量は約80万キロカロリーである。セメントクリンカーの粉砕にはボールミルball millやローラーミルroller millなどの仕上げミルを使用する。セメント粉砕に使用されるエネルギーは電力であり、セメントを1トン粉砕するのに約120キロワットの電力が消費される。混合セメントの場合、高炉セメントやシリカセメントは、ポルトランドセメントクリンカーと高炉水砕スラグslag(鉱滓)またはシリカ質混合材を同時に混合粉砕してつくられるが、フライアッシュセメントは、ポルトランドセメントに所定量のフライアッシュfly ash(燃焼によって生成される粉塵(ふんじん))を混合するだけで得られる。[西岡思郎]

セメントの性質

ポルトランドセメントに水が加えられると、セメント粒子は水と反応して水和が進む。水和の初期にはセメント粒子の表面に薄い水和物の膜ができ、一時的に水和が阻止されることになり、セメントペーストは流動性を保っている。時間の経過とともに、凝結調節に用いられている石膏がアルミン酸カルシウムに変化すると同時に、ケイ酸カルシウムの水和が活発となり、急速に水和が進む(アルミン酸カルシウムやケイ酸カルシウムはセメント中の化合物組成の一部である)。セメント粒子から析出した水和物によってセメント粒子が相互に結合し、外力を加えても粒子が互いに動きにくくなり、時間の経過とともにセメント粒子間が水和物で埋められて、硬化がさらに進んでいく。
 普通ポルトランドセメントや中庸熱ポルトランドセメントは、長期に強度を発現するケイ酸二カルシウムを多く含み、反対に短期に強度を発現するケイ酸三カルシウムが少ない。セメントが水和すると水和熱を出すが、この水和熱はアルミン酸三カルシウムの多いものほど高くなるので、低発熱用セメントであるといわれている中庸熱セメントにはアルミン酸三カルシウムが少ない。また、早強および超早強ポルトランドセメントは短期に強度を発現させるセメントであり、ケイ酸三カルシウムが他のセメントに比べて多い。[西岡思郎]

セメントの用途

セメントの種類は多岐にわたっているが、セメントが使われる場所や目的に応じて、それに見合った特性をもつセメントを選んで用いるのが常である。
 普通ポルトランドセメントは、コンクリート工事に用いられるもっとも一般的なセメントである。早強ポルトランドセメントは、早期に高強度を発現できる特性を生かして、冬期工事、工期短縮を必要とする工事をはじめ、蒸気養生することにより、さらに早期に強度発現できる特性を生かし、コンクリート二次製品の製造に用いられる。超早強ポルトランドセメントは、早強ポルトランドセメントよりもさらに早期に強度発現を要求される工事や、セメント粒子の細かさを利用したグラウトgrouting(膠泥(こうでい)物を空隙(くうげき)に注入すること)用セメント、通年施工用のセメント、蒸気養生なしでコンクリート二次製品をつくるセメントなどに用いられる。中庸熱ポルトランドセメントは、水和熱の小さい特性を利用して、ダムや原子力発電所などの大断面構造物や舗装用のセメントとして用いられる。耐硫酸塩ポルトランドセメントは、化学抵抗性に優れているので、海洋構造物、地中埋設構造物、工場排水施設などのコンクリート用セメントとして用いられる。
 その他のセメントとして、白色ポルトランドセメントは着色セメント用、コンクリート二次製品用に、アルミナセメントは緊急工事、耐火物用に、コロイドセメントは岩盤グラウト用に、油井セメントや地熱セメントは高温高圧下で使用できるセメントとして、それぞれ用いられる。また、エコセメントは廃棄物処理を目的とした社会ニーズに基づいて開発されたセメントで、都市ゴミ焼却灰や下水汚泥を主原料としてつくられ、主として無筋コンクリート構造物に使われる。2002年(平成14)にはJIS規格(JIS R 5214)に規定された。[西岡思郎]

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世界大百科事典内のセメントの言及

【小野田セメント[株]】より

…日本で最も歴史の古い有数のセメント・メーカー。本社は山口県小野田市。…

【セメント工業】より

…セメント工業は,日本の産業のなかでは珍しく,原料(石灰石)の自給が可能な産業である。製品の付加価値が低い装置産業であるため,需要の増減によってメーカーの経営は大きく左右される。…

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