出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
フランスの小説家,詩人,評論家。第1次大戦に従軍して数度も負傷し,その体験から詩集《審問》(1917)などが生まれた。1921年ころからアラゴンやブルトンらのシュルレアリスムに接近し,同時に現代政治への関心も深めてゆく。政治的エッセー《フランスの測定》(1922),中編小説集《未知なるものへの愁訴》(1924)などが好評をもって迎えられた。ヨーロッパの,特にフランスのデカダンスをいかに克服するかという課題に直面し,アラゴンらがコミュニズムに活路を見いだしたのに対してドリュはファシズムの道を志向した。その間の思想的動揺は小説《夢見るブルジョアジー》(1937),特に直截的には自伝風長編小説《ジルGilles》(1939)において明らかである。第2次大戦中はドイツに協力して,戦時下の《NRF(エヌエルエフ)》誌の編集なども引き受けたが,1945年,対独協力のかどで逮捕令状が発せられたのを機に,自殺を遂げた。
執筆者:若林 真
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…マルロー,サルトルらも同誌を通じて文壇に登場した文学者である。しかしポーランのあとを受けたドリュ・ラ・ロシェルがナチスに協力したため同人の支持を失い,43年6月で休刊を余儀なくされ,53年1月より復刊したが,もはや昔日の面影はない。なお今日フランス屈指の出版社であるガリマール書店は,この雑誌の出版機関をガストン・ガリマールが引き受けて成長させたものである。…
※「ドリュラロシェル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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