デジタル大辞泉
「三草二木」の意味・読み・例文・類語
さんそう‐にもく〔サンサウ‐〕【三草二木】
法華七喩の一。「法華経」薬草喩品に説くたとえで、薬草に大中小、木に大小の不同はあるが、雨の恵みを等しく受けて育って薬用となるように、人に能力・素質の違いはあっても仏の教化を受けることで悟りに入り、世を救う者となることをいう。
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さんそう‐にもく サンサウ‥【三草二木】
〘名〙
仏語。「法華経‐薬草喩品」に説くたとえ。「
三草」は上草・中草・
下草の三、「
二木」は
大樹・
小樹で、さまざまの
植物が、雨の恵みを等しく受けるように、
資質の異なる
衆生(しゅじょう)が等しく
仏陀の教えを受けて悟りをひらくことのたとえ。また、仏陀の教えはただ
一つ、すなわち雨は同じであるが、それを受けて育つ植物が種々あるように、衆生の受け取り方はさまざまであるの意ともいう。
※
梁塵秘抄(1179頃)二「
釈迦の
御法は唯一つ、
一味の雨にぞ似たりける、三草二木は品々に、花咲き実なるぞあはれなる」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
三草二木
さんそうにもく
『法華経』薬草喩品で説かれるたとえ。上,中,小の三草と大,小の二木が等しく雨によって潤うように,人間の素質には声聞,縁覚,菩薩とか,大乗,部派仏教とかの相違はあっても,仏の教化を受ければ等しく悟りの世界に入りうるということを説いたもの。
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