(読み)セン

デジタル大辞泉 「僭」の意味・読み・例文・類語

せん【僭】[漢字項目]

[音]セン(呉)(漢)
身分不相応におごる。「僭越僭主僭称僭上

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「僭」の意味・読み・例文・類語

ひと‐ころ・う ‥ころふ【僭】

(「ひとごろう」とも) 〘自ハ四〙
① ひとしく並ぶ。いっしょに並ぶ。
※春秋経伝集解保延三年点(1137)「耦(ヒトコロフ)国」
※玉塵抄(1563)一六「偶はひとごろう心ぞふたりつがうを云ぞ」
② 臣としての分限を越えて、君主のようにふるまう。度を越えて上の人のことをまねる。
書紀(720)皇極二年一〇月(岩崎本訓)「蘇我臣入鹿、〈略〉天下に振すことを忌みて独り僣(ヒトコロヒ)立むことを謨る」

せん‐・する【僭】

〘他サ変〙 せん・す 〘他サ変〙 思いあがって身分、力量の上の人のまねをする。身分不相応なことをする。目上の人を軽んじてふるまう。また、誇張した表現をする。内容を越えた名を冠する。
※文明本節用集(室町中)「上得下下不(センスル)上〔尚書〕」
※俳諧・本朝文選(1706)五「別墅(べっしょ)をひらきて、五老庵を結ぶ。主人姓は森、名は許六、みづから五老井の先生と僭す」

せん【僭】

〘名〙 分限を越えた言動をすること。身分不相応におごること。僭越。
制度通(1724)七「三代を祭るといへどもただ一室にまつりて廟なし僭といふべからず」 〔潜夫論浮侈

せん‐・す【僭】

〘他サ変〙 ⇒せんする(僭)

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