南寧(読み)ナンネイ

デジタル大辞泉 「南寧」の意味・読み・例文・類語

なんねい【南寧】

中国広西チワン族自治区の区都。インドシナ半島への交通・軍事の要衝。人口、行政区178万(2000)。ナンニン

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精選版 日本国語大辞典 「南寧」の意味・読み・例文・類語

なんねい【南寧】

中国、広西(カンシーチワン)族自治区の南部の都市。西江の支流邕江(ようこう)の北岸にある。自治区政府の所在地。農牧業地帯の中心地で、雲南・江西の少数民族ベトナム人漢民族との交易地。金属・機械・食品工業などが発達。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「南寧」の意味・わかりやすい解説

南寧
なんねい / ナンニン

中国南部、広西チワン族自治区南部の地級市で、同自治区の首府。珠江(しゅこう)水系上流部の邕江(ようこう)沿岸に位置する。邕寧(ようねい)、武鳴(ぶめい)など7市轄区からなり、賓陽(ひんよう)など5県を管轄下に置く(2016年時点)。人口729万7000(2014)。自治区の行政、経済、文化の中心であり、湘桂(しょうけい)線(衡陽(こうよう)―憑祥(ひょうしょう))と南防線(南寧―防城港(ぼうじょうこう))、南昆線(南寧―昆明(こんめい))が通じ、水運、道路交通の便がよい。市中心部から南西約30キロメートルに南寧呉圩(ごきょ)国際空港がある。中国の南方、とくにインドシナ半島への交通・軍事基地として漢代から開け、晋(しん)代に晋興(しんこう)県、隋(ずい)代に宣化(せんか)県、唐代には邕州が置かれた。明(みん)・清(しん)代には南寧府が置かれ、辛亥(しんがい)革命後に邕寧県と改称され、1949年に分離して南寧市が設置された。現在も対東南アジア貿易の重要拠点で、2004年からは中国・ASEAN(アセアン)博覧会が毎年開催されている。

 市街は邕江の両岸に発達し、中央部に南北両岸を結ぶ邕江大橋が架けられている。北岸から南寧駅に延びる朝陽路が中心街で、中国民航営業所、バスターミナル、劇場、ホテル、デパートなどが並ぶ。工業地区は南岸に広がり、製鋼冶金、造船、農機具、自動車などの機械工業、電子、時計などの精密工業、薬品、化学肥料などの化学工業のほか、紡織、食品、建築材料など多種の工業が発達している。また、広西大学をはじめ医学などの単科大学、銅鼓(どうこ)の収集で有名な広西博物館がある。名勝としては邕江の古い河床の跡である南湖が知られる。

[青木千枝子・河野通博・編集部 2017年8月21日]

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改訂新版 世界大百科事典 「南寧」の意味・わかりやすい解説

南寧 (なんねい)
Nán níng

広西チワン(壮)族自治区の南部の都市。西江の支流邕江(ようこう)北岸に位置し,湘桂鉄道(衡陽~友誼関)が通る。1997年には雲南省の昆明との間に南昆鉄道が開通した。自治区政府の所在地で,自治区の政治・経済・文化・交通の中心地。人口177万(2000)。南寧地区の1市11県を管轄する。秦代の桂林郡,漢代の鬱林郡の属地であったが,東晋時代に晋興県と晋興郡が置かれた。隋代に宣化県と改称し,唐代には邕州が置かれ,明・清代は南寧府の治所となった。1914年邕寧県と改められ,49年分離して南寧市が設置された。雲南,貴州,広西の少数民族やベトナムと漢民族の接触地として,唐以降たびたび抗争の場となった。861年(咸通2)にはベトナムを攻撃した南詔に占領され,1052年(皇祐4)には儂智高に蹂躙された。元・明代にはベトナム経略の根拠地となった。周囲の盆地平野は鬱江に沿い肥沃で〈桂(広西)省の穀倉〉の称があり,米,ラッカセイ,タバコ,サトウキビやパイナップル,バナナ,竜眼など熱帯果樹の栽培が盛んである。1907年(光緒33)開港し商業は繁栄したが,工業は爆竹,薬材など伝統工業のみであった。解放後,各種工業が急速に発達し,邕江南岸地区に新たに工場地区が出現した。内河の航運は西は百色,竜州まで,東は梧州,広州まで達し,邕江流域の物資集散の中心地である。
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百科事典マイペディア 「南寧」の意味・わかりやすい解説

南寧【なんねい】

中国,広西チワン族自治区南部にある同自治区の主都。旧名は【よう】寧(ようねい),【よう】州。珠江支流の【よう】江(ようこう)左岸にあり,水運と湘桂鉄路(衡陽〜友誼関)および道路網により,貴州・ベトナムなどへの交通の中心地。付近は農産が豊かで,米・ラッカセイ・果実・サトウキビを集散し,爆竹・薬材・油脂・牛皮の産がある。市の中心部は宋代に建てられた6門によって囲まれる。275万人(2014)。
→関連項目広西チワン(壮)族自治区竜州

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