精選版 日本国語大辞典 「和歌・倭歌」の意味・読み・例文・類語
わ‐か【和歌・倭歌】
〘名〙
① 漢詩に対して、日本の歌。長歌・短歌・旋頭歌・片歌など五・七音を基調とした定型詩であるが、歌体の消長に伴って短歌が和歌を意味するようになった。漢詩に対する和歌の意識は「万葉集」の大伴家持などにすでに見られるが、歌論として明確に自覚されたのは「古今和歌集」の序文においてであろう。歌謡・連歌・俳諧・近代詩などは和歌の範囲から除外されている。やまとうた。うた。国歌。
② 和して歌う歌。答の歌。また、詩。
③ 能楽で用いる語。
(ロ) 謡曲の小段の一つ。舞の前後にかけて謡われ、性格は(イ)と類似する。
※歌舞伎・四天王楓江戸粧(1804)六立「ト和歌(ワカ)になり、皆々立廻りあって」
[補注]③(イ)については、延年の舞の「若音(わかね)」から転じたという説もある。
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