朝日日本歴史人物事典 「坂東三津五郎(4代)」の解説
坂東三津五郎(4代)
生年:享和2(1802)
江戸後期の歌舞伎役者。江戸生まれ。生後すぐに3代目坂東三津五郎の養子となる。2代目簑助と名乗った若手時代は2代目中村芝翫(のちの4代目中村歌右衛門)と覇を争う人気役者だった。養父の没後4代目を継ぎ,3代目同様和事,実事,舞踊をよくした。晩年,中風を病んだので「よい三津」と呼ばれた。11代目森田勘弥を継いで,休座していた森田座を安政3(1856)年に再開,守田座と改めた。5代目は3代目の養子で人気女形だった初代坂東しうかに死後追贈され,6代目は5代目の実子の女形。7代目は大正から昭和にかけての舞踊の名人。8代目はその養子で舞踊,実悪,老役を得意とし,現代の9代目におよぶ。
(井草利夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報