川虫(読み)カワムシ

デジタル大辞泉 「川虫」の意味・読み・例文・類語

かわ‐むし〔かは‐〕【川虫】

川底の石の下などにいる虫。特にトビケラ幼虫渓流釣りで餌とする。

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精選版 日本国語大辞典 「川虫」の意味・読み・例文・類語

かわ‐むし かは‥【川虫】

〘名〙
① 川に生息する虫。
※俳諧・桜川(1674)秋一「川虫や一念化生の鬼とんばう〈紫塵〉」
② トビケラの幼虫。各地池沼河川にすみ、砂粒などで巣をつくる。釣り餌とする。石虫。
※旅‐昭和九年(1934)一一月号・十一月の釣〈魚住清適〉「ハヤ釣には川虫(カハムシ)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「川虫」の意味・わかりやすい解説

川虫
かわむし

水中にすむ昆虫の幼虫のうち、川底の石の下や間にいるカゲロウカワゲラヘビトンボの幼虫や、小石、砂や小木片、落葉を使って巣をつくるトビケラの幼虫の総称、とくに後者をさすこともある。これらは水中生活に適応して房状や葉片状のえら(気管えら)を腹部の両側や尾端に備える。渓流にすむイワナヤマメ、マスなどの釣り餌(え)として重要で、幼虫の種類により、瀬虫(トビケラの幼虫)、チョロムシ(カゲロウの幼虫)などの呼び名がある。なお、長野県では主としてカワゲラの幼虫をガアムシとよんで佃煮(つくだに)にして食べ、福島県ではおもにカゲロウの幼虫をザザムシと称して食用にする習慣が残っている。ヘビトンボの幼虫はマゴタロウムシ孫太郎虫)とよばれ、干して子供の疳(かん)の薬とされる。

[中根猛彦]

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知恵蔵 「川虫」の解説

川虫

川虫は渓流の石裏などに棲む、カゲロウ、カワゲラ、トビケラなどの幼虫の総称。カゲロウの幼虫をピンチョロ、ヒゲナガカワトビケラの幼虫を黒川虫、ざざ虫ともいう。フライフィッシングでは、川虫の幼虫をニンフ、羽化直前をイマージャー、羽化したものをダン、またはスピナーと呼ぶ。一方キジは、ミミズ、主にフツウミミズのことをいい、淡水での万能餌の1つ。同じ赤い餌でも赤虫はユスリカの幼虫で、別名アカボウフラ。またサシ(ウジ虫)はハエの幼虫で、赤く染めたものは紅サシと呼ぶ。いずれも、マブナやヤマベ、ハヤ、ワカサギなどの餌などに使われる。ブドウ虫(ガの幼虫)はサシを大きくした姿形で、ハヤやマス類の餌として使う。

(森田秀巳 アウトドアライター / 2007年)

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