常磐津文字太夫(2代)(読み)ときわづ・もじたゆう

朝日日本歴史人物事典 「常磐津文字太夫(2代)」の解説

常磐津文字太夫(2代)

没年:寛政11.7.8(1799.8.8)
生年享保16(1731)
江戸中期の常磐津節の太夫。本名越後屋佐六。通称藤兵衛。号は文中。宝暦5(1755)年鐘太夫を名乗る。11年5月初舞台。初代兼太夫となって,明和6(1769)年11月,若太夫,志妻太夫の常磐津からの破門・独立により初代文字太夫の後継者となった。安永3(1774)年4月に立語りとなり,天明7(1787)年2月2代目文字太夫となる。寛政11(1799)年6月隠退。劇舞踊の全盛期にあって,名手の名が高く,「関の扉」「山姥」「戻駕」「夕霧」「帯文桂川水」など常磐津節の名曲を多く語っている。<参考文献>岩沙慎一『江戸豊後浄瑠璃史』

(安田文吉)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「常磐津文字太夫(2代)」の解説

常磐津文字太夫(2代) ときわず-もじたゆう

1731-1799 江戸時代中期-後期の浄瑠璃(じょうるり)太夫。
享保(きょうほう)16年生まれ。初代常磐津文字太夫の門にはいり,鐘太夫,初代兼太夫をへて天明7年2代を襲名。寛政11年跡目相続争いから弟の2代兼太夫を破門し,実子家元をつがせた。同年7月8日死去。69歳。享年には44歳説もある。通称は越後屋佐六,藤兵衛。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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