感得(読み)カントク

デジタル大辞泉 「感得」の意味・読み・例文・類語

かん‐とく【感得】

[名](スル)
奥深い道徳や真理などを感じ悟ること。「自然の摂理感得する」
信心神仏に通じて、宿願がかなえられること。
思いがけなく手に入れること。
「為朝鵜丸の剣を―し給ひし事」〈読・弓張月・残〉
[類語]感ずる思うさと感じ取る実感感受感知直感直覚予感ぴんと来る

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精選版 日本国語大辞典 「感得」の意味・読み・例文・類語

かん‐とく【感得】

〘名〙
① 神仏への信心が通じて、願っていたものを得ること。
※後二条師通記‐応徳三年(1086)一〇月一三日「亦有先師大師昔所感得矣」
② あることが原因となってその結果や報いをうけること。
※一休仮名法語(1481頃)「前世業因によりかんどくしたる善悪のごっぱうなり」
③ 転じて、思いがけず手に入れること。
※新札往来(1367)下「新渡薬、少々感得候」
④ 感づくこと。感じ取ること。また、物事の奥深い道理を悟り知ること。
評判記色道大鏡(1678)一五「端女(はしをんな)所業、うけたまはりて尤感得(カントク)し侍ぬ」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉五「人を見たら猫食ひと思へとは吾輩も〈略〉始めて感得した真理である」

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