東アジア経済会議(読み)ひがしアジアけいざいかいぎ

百科事典マイペディア 「東アジア経済会議」の意味・わかりやすい解説

東アジア経済会議【ひがしアジアけいざいかいぎ】

East Asia Economic Caucusの頭文字からEAECとも。また東アジア経済協議体とも。経済連携を強化するための会議体の一つで,1990年12月にマレーシアマハティール首相が提案。EUNAFTAに対抗しうる,アジア諸国のみによる経済協力体構想。同構想は1991年以降,同首相により各方面に東アジア経済グループ(EAEG;East Asia Economic Group)として提案され,中国などからは一定の支持を受けたが,米国からは激しい反発をひきおこした。そのため,ASEANは1991年10月に単なる会談の場として東アジア経済会議(EAEC)の名称で同構想を承認した。1997年12月にASEAN首脳会議と日本,韓国,中国の3国首脳会談が同時開催されたが,これが事実上のEAECとなった。2000年以降ASEAN+3を核とし,東アジア・東南アジアでさまざまな経済協力体制構築がこころみられているが,この会議が一つの源流である。→アジア太平洋経済協力会議
→関連項目環太平洋経済圏構想東南アジア諸国連合

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「東アジア経済会議」の意味・わかりやすい解説

東アジア経済会議
ひがしアジアけいざいかいぎ
East Asia Economic Caucus; EAEC

マレーシアのマハティール首相が提唱している,東アジア諸国の貿易投資,経済協力問題を扱う国際会議。特徴としては,(1) アメリカなどの白人国家を排除し,日本にその中心的役割を期待していること,(2) 先進国から新興工業国に向けられた特恵関税撤廃などの経済的圧力に対して,東アジア諸国の集団化で対抗しようとしていること,などがある。構想の発端は,1990年 12月中国首相李鵬のマレーシア訪問時にマハティール首相がヨーロッパ共同体 ECの経済統合や北米自由貿易協定などに対抗するために提案した,東アジア諸国を中心とする経済ブロックである。その後,経済ブロックという刺激的な言葉が国際的な反発を招いたことから内容を改め,東アジア経済グループ EAEGと改称。さらに 91年 10月の東南アジア諸国連合 (ASEAN) 経済閣僚会議で,ゆるやかなフォーラム形式の EAECに変更されたが,東アジアと経済・安全保障双方で密接な関係にあるアメリカを排除した点が地域諸国に警戒され,構想実現のめどは立っていない。

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