Asian Pacific Economic Cooperationの頭文字を取ってAPEC(エーペック)とも。アジア太平洋地域における経済協力のための閣僚会議。参加国は日本,中国,韓国,台湾,香港,シンガポール,インドネシア,マレーシア,タイ,フィリピン,ブルネイ,ベトナム,アメリカ,カナダ,メキシコ,チリ,ペルー,オーストラリア,ニュージーランド,パプア・ニューギニア,ロシアの,環太平洋の21の国・地域。起源は1989年にオーストラリアのホーク首相がアジア太平洋地域の協議メカニズムを提唱したこと。1991年の第3回閣僚会議では,マレーシアがNAFTAに対抗するEAEC(東アジア経済会議)構想を打ち出し注目された。1993年にはクリントン米大統領の呼びかけにより初めての非公式首脳会議が開かれている。1994年のボゴール(インドネシア)での会議では,2020年(先進国は2010年)までに域内の貿易自由化を達成するという宣言(ボゴール宣言)を採択した。1995年には大阪で第7回閣僚会議と非公式首脳会談が行われ,経済成長・環境安定・エネルギー需給安定の三位一体的達成のためのアクション・プログラムの策定などについて話し合われた。2004年チリのサンティアゴでの首脳会議では貿易自由化のほか,テロ対策など〈人間の安全保障〉も議論された。その後,2005年韓国の釜山,2006年ベトナムのハノイ,2007年オーストラリアのシドニー,2008年ペルーのリマで開催。2009年シンガポール,2010年横浜,2011年米国のホノルル,2012年ロシアのウラジオストック,2013年インドネシアのバリ,2014年中国の北京で開催された。 →関連項目アジア・ヨーロッパ会議|ASEAN自由貿易圏|環太平洋経済圏構想|スービク|東南アジア|ベトナム|木材貿易