濃度規制(読み)のうどきせい(英語表記)density control

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「濃度規制」の意味・わかりやすい解説

濃度規制
のうどきせい
density control

環境汚染物質排出を規制する方法の一つ。規制すべき物質を,排出ガスあるいは排出水に対する濃度許容限度を定めるもので,現在の大気汚染防止法および水質汚濁防止法の主要な規制方法である。この規制方法は,排出された汚染物質が環境中で拡散されて,着地濃度あるいは公共用水域の汚濁濃度が一定以下になれば健康や生活環境に悪影響は現れないとする拡散理論根拠としているが,発生源で排出総量が増加する場合は歯止めができず,また密集した発生源が広範囲にある場合,環境に対する汚染物質の許容量をこえると拡散して希釈するのに限界を生じるという難点がある。 (→総量規制 )

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化学辞典 第2版 「濃度規制」の解説

濃度規制
ノウドキセイ
emission concentration regulation

工場事業場などから排出される汚染物質を,排出口における濃度により規制する方式国民の健康の保護と生活環境の保全目的として大気汚染防止法が制定され,すすなどのばいじんや窒素酸化物などの有害物質石綿のような粉じんなどについて,それぞれ排出許容濃度が定められている.ほかに量規制,総量規制K値規制などがある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の濃度規制の言及

【排出基準】より

…また大気汚染の場合と同じく,都道府県は上乗せ排水基準をきめることができる。しかし排水基準は汚染物質の濃度を規制する濃度規制であるため,希釈すれば大量の有害物質排出が可能であり,問題が多い。下水道に排出される工場排水は,公共用水域に排出されるときと同じ排水基準をまもらなければならないが,現在の下水処理に採用されている活性汚泥法は大量の有機汚泥をだし,そのなかに重金属などの有害物質が混入するため汚泥処理にも問題が残っている。…

※「濃度規制」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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