藤原季経(読み)ふじわらのすえつね

朝日日本歴史人物事典 「藤原季経」の解説

藤原季経

没年承久3.閏10.4(1221.11.19)
生年:天承1(1131)
平安時代末・鎌倉時代初期の歌人。左京大夫顕輔の子。非参議正三位に至る。建仁1(1201)年に出家。法名は蓮経。治承2(1178)年『右大臣家百首』など,多くの歌会,歌合に出詠。建仁3(1203)年『千五百番歌合』では,判者のひとりとなるなど,兄清輔の没したのち,歌道家六条家の勢力維持に努めたが,『新古今和歌集』には「風さゆる小島が磯のむら千鳥立ちゐは浪の心なりけり」の1首が入集したにとどまった。家集に『季経入道集』がある。ほかに『枕草子』の注釈書を著したが,現在伝わっていない。<参考文献>井上宗雄『増補版 平安後期歌人伝の研究

(加藤睦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「藤原季経」の解説

藤原季経 ふじわらの-すえつね

1131-1221 平安後期-鎌倉時代の公卿(くぎょう),歌人。
天承元年生まれ。藤原顕輔(あきすけ)の6男。中宮亮(すけ),宮内卿をへて正三位にいたる。兄清輔の没後は六条家の有力歌人として藤原定家に対抗した。「千載和歌集」以下の勅撰集に21首。承久(じょうきゅう)3年閏(うるう)10月4日死去。91歳。法名は蓮経。家集に「季経入道集」。
格言など】風冴ゆる富島(とじま)が磯の群(むら)千鳥立ち居は波の心なりけり(「新古今和歌集」)

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例