衰日(読み)スイニチ

デジタル大辞泉 「衰日」の意味・読み・例文・類語

すい‐にち【衰日】

陰陽道おんようどうで、生年月干支えと年齢により、万事に忌み慎むべき日とする凶日。「衰」の字を避けて徳日とくにちともいう。すいじつ。

すい‐じつ【衰日】

すいにち(衰日)

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「衰日」の意味・読み・例文・類語

すい‐にち【衰日】

〘名〙 陰陽道でいう悪日の一つ。その人の生年十二支によって一定している生年衰日(たとえば、子・午生まれの人は丑・寅の日)、年齢によって毎年変わる行年衰日(たとえば、二七歳の年は辰・戌の日)とがある。衰の字を忌んで徳日ともいう。
九暦‐貞信公教命・天慶六年(943)三月二〇日「外記避御衰日・重・復・神事・奏者忌申之上卿之」
源平盛衰記(14C前)二「御葬の地を点ず〈略〉日時母后の御衰日(スイニチ)を選び、方角公家の御方忌を用ひる」

すい‐じつ【衰日】

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「衰日」の意味・わかりやすい解説

衰日 (すいにち)

陰陽道でその人の生れ年の十二支によって忌み慎むべしとされる凶日。衰の字を忌んで徳日(とくにち)ともいい,また劣日などとも別称する。生年衰日と行年衰日の2種があり,前者は子・午生れの人は丑・未の日,丑・未生れの人は子・午の日,寅・申生れの人は巳・亥の日,巳・亥生れの人は寅・申の日,卯・酉生れの人は辰・戌の日,辰・戌生れの人は卯・酉の日とする。後者はその人の年齢に応じ毎年変わるものである。例えば1歳は申・寅,2歳は酉・卯,3歳は午・子,4歳は戌・辰,5歳は未・丑というぐあいで,人ごとに6日おき,あるいは1年に約60回訪れるものであるが,巳と亥の日は凶日とはならない。この2種のうち,前者は実際には行われず,平安朝以来もっぱら後者が行われた。除目始(じもくはじめ),官奏,陣定(じんのさだめ)等の公事,臨時大祓,大嘗会御禊(ごけい)次第使定,斎宮御禊等の神事,季御読経(きのみどきよう)日時定,盂蘭盆供(うらぼんく)等の仏事,薨奏,除服等の凶事はいずれもおおむね衰日を避けて行われた。

 このように,衰日は万事を避くべしといわれた悪日であるが,修善出行にはさしつかえないともいわれ,必ずしも徹底的に守られず,この点で坎(かん)日,凶(会)日,重日復日等他の悪日と似ているが,ただこれらは暦の上に記載され,広く社会的に利用されたのに対し,徳日は特定個人だけに適用される特殊な性格のものであった。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android