観世 榮夫(読み)カンゼ ヒデオ*

新撰 芸能人物事典 明治~平成 「観世 榮夫」の解説

観世 榮夫
カンゼ ヒデオ*


職業
能楽師(観世流シテ方),演出家 俳優

肩書
京都造形芸術大学教授

生年月日
昭和2年 8月3日

出生地
東京市 下谷区(東京都 台東区西町)

学歴
東京音楽学校(東京芸術大学)本科能楽専攻〔昭和22年〕中退

経歴
観世流宗家の分家観世銕之丞(7代目)の二男で、兄の寿夫、弟の静夫(8代目銕之丞)と“観世3兄弟”として知られる。3歳で初舞台を踏み、6歳で初シテ。観世流シテ方として育つが、15代目喜多実に私淑して戦後の昭和24年、喜多流名手後藤得三の芸養子となり、喜多流に入門。28年兄らと華の会を結成。33年には能楽協会を退会。新劇オペラの演出も手がけ、俳優としても活動。45年兄の結成した冥の会にも参加、「オイディプース王」「アガメムノーン」などに出演。54年兄の死の直前の願いで能界に復帰し、弟・8代目銕之丞とともに銕仙会の発展に力を注いだ。平成3年より日本能楽会会員。5年パリでポール・クローデルの新作能「女と影」を演じた。14年伝統芸能の演奏家グループ・玄に参加。能役者ながら小劇場の演劇にまで出演する希有な俳優として活躍し、能楽と現代演劇の橋渡し役を担った。19年5月高速道路を運転中に事故を起こし助手席マネジャー死亡自身重傷を負い、6月持病が悪化して亡くなった。主な出演作に一般演劇「子午線の祀り」「なよたけ」、映画「砂の女」「鉄輪」「利休」「午後遺言状」など。妻は文豪谷崎潤一郎二女

所属団体
銕仙会,申楽乃座,日本能楽会

受賞
芸術選奨文部大臣賞〔平成10年〕,毎日芸術賞(第46回)〔平成17年〕 勲四等瑞宝章〔平成13年〕 モービル音楽賞(邦楽部門 第28回)〔平成10年〕,毎日芸術賞(演劇・邦舞部門 第46回 平16年度)

没年月日
平成19年 6月8日 (2007年)

家族
父=観世 雅雪(7代目銕之丞),兄=観世 寿夫(能楽師),弟=観世 銕之丞(8代目)(能楽師)

親族
岳父=谷崎 潤一郎(小説家)

伝記
評伝 観世榮夫日本の古典芸能―名人に聞く究極の芸千田是也演劇論集〈第4巻(1960〜1962年)〉 安保反対闘争と戦後新劇の再編 船木 拓生 著河竹 登志夫 著千田 是也 著(発行元 平凡社かまくら春秋社未来社 ’07’07’87発行)

出典 日外アソシエーツ「新撰 芸能人物事典 明治~平成」(2010年刊)新撰 芸能人物事典 明治~平成について 情報

367日誕生日大事典 「観世 榮夫」の解説

観世 榮夫 (かんぜ ひでお)

生年月日:1927年8月3日
昭和時代;平成時代の能楽師(観世流シテ方);演出家;俳優
2007年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報