精選版 日本国語大辞典 「難・六借」の意味・読み・例文・類語
むずかし・い むづかしい【難・六借】
① 機嫌が悪い。不快な表情や態度をあらわに見せている。
② 気に入らず不愉快である。気持が晴れないでうっとうしい。むしゃくしゃする。
※宇津保(970‐999頃)内侍督「けふうちへ参らで、こもりものすれば、むつかしうおもほゆるかな」
④ 風情がなくてむさくるしい。よごれてきたない。
※宇津保(970‐999頃)吹上上「げに、かくむつかしき所にのみ籠り侍れば、いとど拙き心地するを」
⑤ ごたごたとして煩わしい。うるさい。面倒だ。
※源氏(1001‐14頃)夕顔「御物忌み何やと、むつかしうつつしませ奉り給」
⑥ 回復しにくいほど病気が重い。
※高野山文書‐久安四年(1148)四月三日・御室御所高野山参籠日記「宮依二風発給一、従二西京一辺還給了。〈略〉若猶二六借坐給一者、可レ還二支度一也」
⑧ 困難でおぼつかない。まったく不可能というわけではないが、それに近い状態である。
※浮世草子・西鶴諸国はなし(1685)三「何ともむつかしき僉儀にて」
⑨ 意地が悪いなど、性格が素直でなくてとりつきにくい。理屈がちであったりして気軽に接しにくい。
※六波羅殿御家訓(13C中)第一条「事に触れて悪ざまにて、六借からん者をば、仕べからず」
[語誌](1)室町期まではムツカシと清音である。ムヅカシが出てきたのは近世末といわれ、以後、両語が並存している。
(2)現在、新聞や放送用語、教科書などではムズカシイを採っており、一般にはムズカシイがかなり優勢になってきている。
(2)現在、新聞や放送用語、教科書などではムズカシイを採っており、一般にはムズカシイがかなり優勢になってきている。
むずかし‐が・る
〘他ラ五(四)〙
むずかし‐げ
〘形動〙
むずかし‐さ
〘名〙
むずかし むづかし【難・六借】
〘形シク〙 ⇒むずかしい(難)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報