(読み)こく

精選版 日本国語大辞典 「鵠」の意味・読み・例文・類語

こく【鵠】

〘名〙
空華集(1359‐68頃)一・因看鴉浴戯作「看爾老鴉頻浴池、要鵠白也難為」 〔荘子天運
② 弓のまとの中央の黒い星。ほし。
洛陽田楽記(1096)「敦基・在良朝臣、並折桂射鵠之輩、不一人」 〔周礼天官・司裘〕

こう こふ【鵠】

〘名〙
① 鳥「はくちょう(白鳥)」の異名。〔十巻本和名抄(934頃)〕
※本朝軍器考(1722)四「其の中に鵠といふは、〈略〉本朝にて今は白鳥といへる物や」
獣類の皮でつくった射侯(しゃこう)の、中央の的の部分
三代実録‐貞観六年(864)二月二五日「御於射場、帝御弓矢、一発中鵠」

くび【鵠】

〘名〙 (「くひ」とも) 鳥「はくちょう(白鳥)」の古名
古事記(712)中・歌謡「ひさかたの 天の香具山 利鎌(とかま)に さ渡る久毘(クビ) 弱細(ひはぼそ)(たわ)や腕(がひな)を 枕(ま)かむとは」

くくい くくひ【鵠】

〘名〙 (その鳴き声から。「くぐい」とも) 鳥「はくちょう(白鳥)」の古名。《季・冬》
※古事記(712)中「故、今高往く鵠(くくひ)の音を聞きて」 〔享和本新撰字鏡(898‐901頃)〕

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デジタル大辞泉 「鵠」の意味・読み・例文・類語

くぐい〔くぐひ〕【×鵠】

《「くくい」とも》白鳥はくちょうの古名。 冬》
「今高往く―の音を聞きて」〈・中〉

こく【鵠】[漢字項目]

[音]コク(漢) [訓]くぐい まと
鳥の名。ハクチョウ。「鴻鵠こうこく
弓の的。的の中心。「正鵠

こく【×鵠】

白鳥はくちょう別名
弓の的の中央にある黒い星。ほし。

こう〔こふ〕【×鵠】

ハクチョウの古名。〈和名抄

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鵠」の解説

鵠 (ハクチョウ・クグイ)

学名Cygnus bewickii
動物。ガンカモ科の鳥

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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