改訂新版 世界大百科事典 「アバークロンビー」の意味・わかりやすい解説
アバークロンビー
Ralph Abercromby
生没年:1842-97
イギリスの気象学者。貴族の長男としてロンドンに生まれる。1860年には陸軍に勤務し,66年には陸軍大学に入ったが,生まれつき身体が弱く,病のため退学し,官職をしりぞいた。その後,療養もかねて世界中を船で航海し,第3回目の航海のとき,シドニーで客死した。この航海中,波や気象の観測なども行い,87年には,低気圧,高気圧,V状低圧部など,七つの等圧線の基本型を提唱した。また,雲の形が世界中同じであることを確かめ,スウェーデンの気象学者ヒルデブランド・ヒルデブランドソンHugo Hildebrand-Hildebrandson(1838-1925)とともに国際雲級図の基をきずいた。著書には《天気Weather》があり,広く教科書としてつかわれた。
執筆者:高橋 浩一郎
アバークロンビー
Lascelles Abercrombie
生没年:1881-1938
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報