アフタ性口内炎(読み)アフタせいこうないえん(英語表記)aphthous stomatitis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アフタ性口内炎」の意味・わかりやすい解説

アフタ性口内炎
アフタせいこうないえん
aphthous stomatitis

アフタとは,口腔粘膜にできる直径数ミリの円形または楕円形の,境界がはっきりした浅い潰瘍で,そのまわりを取囲んで幅の狭い赤くなった部分 (紅暈) があり,潰瘍面が白色ないし灰白色の付着物でおおわれている。アフタができる病気に,単純疱疹,疱疹性歯肉口内炎,水痘 (水ぼうそう) ,帯状疱疹,ヘルパンギナおよび手足口病などがあり,これらを一括して「アフタ性口内炎」という。一方,口内炎症状のないものに孤立性アフタ,慢性再発性アフタベーチェット病などがある。アフタ性口内炎は多数の小さいアフタが,口の中の粘膜のあちこちにできる口内炎であるが,アフタが再発を繰返す同一の疾患に対して,再発性アフタ,慢性再発性アフタなど,病名が混乱して使われている。一般にアフタ性口内炎という場合には「慢性再発性アフタ」をさすことが多いが,これはかなりよくみられる病気で,1対2の割合で女性に多く,20歳代が最も多く,次いで 30歳代が続いている。原因がはっきりしないので,決め手になる治療法がない。硝酸銀溶液の塗布がよく行われ,痛みはなくなるが,潰瘍の治療はかえって遅れる。再発を防止できる確実な方法はなく,うがいを行い,ビタミン剤抗生物質,副腎皮質ホルモンなどの投与によって潰瘍面の保護や痛みを抑える。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

大山のぶ代

1936- 昭和後期-平成時代の女優,声優。昭和11年10月16日生まれ。昭和32年俳優座養成所をでて,テレビ界にはいる。NHKの「ブーフーウー」で声優としてみとめられ,54年テレビアニメ「ドラえもん...

大山のぶ代の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android