日本大百科全書(ニッポニカ) 「アルティプラノ高原」の意味・わかりやすい解説
アルティプラノ高原
あるてぃぷらのこうげん
Altiplano
南アメリカ、ペルー南部からボリビアにかけてのアンデス山脈中に広がる高原。ボリビア高原ともいう。標高3600メートルから4200メートル。5000~6000メートル級の火山の並ぶコルディエラ・オクシデンタル山脈と、古生層、深成岩体などよりなるコルディエラ・オリエンタル山脈(カラバヤ山脈、レアル山脈など)との間にあり、幅100~150キロメートル、長さ800キロメートル余りで南北に延び、新生代の厚い堆積(たいせき)物で埋積されている。高原はいくつかの小盆地に分かれ、それぞれにティティカカ湖、ポーポ湖、ウユニ塩湖などがある。北部のティティカカ湖盆地のみは灌漑(かんがい)なしで農業ができる雨量があり、また湖水の影響で高山気候特有の著しい気温日較差が緩和され、居住条件が良好で人口密度の高い地域をなす。ボリビアの首都ラ・パスがその南東端にある。一方、高原の南部は、年降水量が50ミリメートルに満たない顕著な乾燥気候、冬期には夜間気温が零下にまでなる高山気候で、ステップないし砂漠になっている。水系は海への出口をもたず、ティティカカ湖から流れるデスアグアデーロ川の水もポーポ湖に入り消失する。非鉄金属の採掘が高原南部のおもな産業で、オルロ(亜鉛、銀)、コロコロ(銅)などの鉱山都市がある。
[松本栄次]