ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「アルフォンソ13世」の意味・わかりやすい解説
アルフォンソ13世
アルフォンソじゅうさんせい
Alfonso XIII, Léon Fernando Maria Isidro Pascual Antonio
[没]1941.2.28. ローマ
スペイン王 (在位 1886~1931) 。アルフォンソ 12世の子。父の死後6ヵ月目に生れ,ただちに即位。 1902年 16歳の誕生日に親政を開始するまで,母のマリア・クリスティナが摂政となる。摂政時代には,保守党の A.カノバス・デル・カスティリョと自由党の P.サガスタの内閣交代制がアルフォンソ 12世時代に引続いてとられた。この二大政党による議会政治は見せかけのもので国民的基礎をもたなかったので,政治的な動揺が内外に拡大してきた。 20世紀に入ると労働運動,共和革命運動,カタルニャの自治運動,反政府運動,モロッコの反乱などが相次いだが,アルフォンソ 13世は適切な打開策をもたなかった。第1次世界大戦には局外中立を保持し,スペイン産業に好景気が訪れたが,21年には恐慌が起り労働運動は激化した。 23年9月 13日 M.プリモ・デ・リベラのクーデターにより,軍事的独裁政権が成立し (30) ,これを認めた。 31年共和革命政府成立,民衆の要求により国王退位を迫られ,フランスに亡命 (31.4.14.) ,さらにイタリアにおもむいた。 41年1月 15日,息子のドン・フアンに王位継承権を譲った。 F.フランコは 39年4月 24日の法により,王をスペイン市民としてもとの地位に復させたが,アルフォンソは帰国せずローマで没した。
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