ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 の解説
カノバス・デル・カスティリョ
Cánovas del Castillo, Antonio
[没]1897.8.8. ギプスコア,サンタアグエダ
スペインの政治家。ブルボン家の王政復古に尽力し,保守党の領袖として P.サガスタの率いる自由党とともに二大政党制を樹立したことで知られる。 1852年 L.オドンネル将軍に紹介され,のちにその政治顧問となった。 54年コルテスに選出されたがまもなく辞任。 55年バチカンへ派遣され,57年帰国。内相,植民地相を経て,74年首相。 85年国王アルフォンソ 12世が死去すると,王妃マリア・クリスティナからアルフォンソ 13世への王位継承を平和裡に果した。 74~97年まで6回首相をつとめ,内政面では秩序と民族の統一をもたらしたが労働者階層を満足させえなかった。キューバ問題では硬直した戦争政策をとり,状況を悪化させた。イタリア人無政府主義者アンジオリッロによって暗殺された。『フェリペ4世治世の研究』 Estudios del rainado de Felipe IV (3巻,1888~89) などの著書がある。
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